4月28日の四国を皮切りに始まった教区総会は6月25日の神奈川を最後に17教区全てが終了した。いま、今年度の各教区総会をふりかえって課題のいくつかを記してみようと思う。
まず、いくつかの教区で総会議長が交替し、執行部が新しくされた。執行部が再選され、継続していく教区も含めて、石橋秀雄教団総会議長が力説しているように『伝道に熱く』なって前進するよう今後に期待したい。
教勢減退傾向について
信徒数、礼拝出席者数、受洗者数が各教区とも漸減しており、それに伴って献金額も低下し、教会の財政力が弱体化の傾向にある。このことはここ数年来見られることで、教団全体として真剣に打開策を考えていかねばならない。端的に言って妙案はない。わたしたちが信仰の原点に立ち帰り礼拝を充実させ、キリストの福音を力強く語っていくほかはない。『み言葉にはあなたがたの徳をたて…聖別されたすべての人々と共に、み国をつがせる力がある』(使徒行伝20章32節・口語訳)と確信して…。
東日本大地震被災教会救援をめぐって
各教区総会で法定議案以外では最も多くの時間を費やして協議された事柄である。
東日本大地震の被災教区は奥羽・東北・関東の3教区である。地震・津波・原発事故からくる放射能汚染という三重の被害を受けた諸教会とその地域への救援について熱心に話し合われた。被災3教区と支援する教区が教団を通して共に密接に連絡を取りあい、教団として取り組むべき支援・教区ができる支援をそれぞれ明確にして、強力にすすめるべきであるというのが各教区総会での共通した結論だった。
教団救援対策本部が基本方針の中で主題を『地域の人々の救いに仕える教会の再建を目指して』としたこの方向で長期にわたって救援活動をすべきである。
建議・請願の取り扱いについて
教規施行細則第4条の2にあるように、本来建議は議員でない教師や信徒が教団や教区の教務や行為について建設的提言をするものであり、請願も教務機関の処置に対して希望を訴えるものである。
それなのに議員である者が建議や請願の提案者になり、それを教区総会議長が受理し、更に議案として取上げられるのは明らかに教規違反である。議員は正規の手続きを経て議案を提出するべきなのである。今後はこの過ちを改めねばならない。
教団と教区との関係について
それぞれの教区の宣教活動に特徴が見られるのは事実である。それは教団がキリスト教会としての豊かさを示しているとも言えるが、一つ間違えると教団は教区連合体のようになってしまう恐れがある。
教区が先にあってそれが集って教団ができたのではない。教団が先づあって信仰告白、教憲教規に基づいて教会形成がなされていくのである。
宣教活動を有効にすすめていくために17教区が置かれているということを、わたしたちは正しく認識していなければならないのである。
(教団総幹事 内藤留幸)