第60回総会が、5月5~6日、エソール広島において、開会時、正議員132名中119名の出席で開催された。
議案第2号「教区総会議長総括ならびに常置委員会報告に関する件」で、北村慈郎教師への戒規適用撤回の申し立て、沖縄教区との合同のとらえなおし、上関原発建設計画の見直しについての取り組み、米軍再編に抗議し軍事基地撤去を求めて行くこと、性差別問題に対する取り組み等についての報告がなされた。この報告に対して、伝道の姿勢を明確に打ち出すべき、教勢報告のあり方を見直すべき等の意見が出された。また、東日本大震災の被災地支援と状況聴取のために教区が派遣した2名の教師から、被災地の困難な状況と支援の必要性が報告された。
教団問安使・石橋秀雄教団総会議長が、東日本大震災に関して報告し、もって挨拶とした。議長に対し、昨年、西中国教区が出した免職に対する抗議についての応答が求められ、異なる意見を排除すべきではない等の意見が出された。議長は、北村氏は戒規、免職中であり、帰って来る道があること、教憲教規に立ち返ってから、神学的議論をし、教憲教規の変更を考えるという手続きが重要であること、未受洗者配餐によって教会の公同性が失われること等の見解を述べた。
また、議案第14号「北村慈郎教師に対する『免職』撤回を求める声明を採択する件」が上程された。撤回を求める理由に、以下が挙げられた。①教師委員会の戒規申立受理は第36回教団総会議案44号を可決した総会の意志に反している。②決定の根拠条文は直接聖餐の在り方を規定するものではない。③戒規規定に至る過程で北村教師との面会が行われておらず、「密室裁判」とのそしりを免れない。④教団信仰告白の制定の際、解釈にある程度の自由は認められるべきものであり、法的措置の前に神学的議論の領域が設定されなければならないとの付帯事項が確認されている。
これに対し、教勢低迷する中、仲間である教師を免職するのは拙速である。また、執行部は、教憲教規の恣意的な運用をしている等、多くの賛成意見が述べられた。
一方、北村牧師には何度も未受洗者への配餐を止めるようにとの勧告がなされて来たこと、また、教団の姿勢は、紅葉坂教会の教会規則の変更を差し戻した時から明確にされており、突然戒規が執行されたのではないとの主張がなされた。
結果、声明は可決された。
また、議案第18号「東日本大震災被災地支援に関する件」が可決され、被災地に対する中長期的支援を視野に入れた取り組みを行うこと、被災地支援特別会計を設置し、教区運営資金から300万円を繰り入れること等が決められた。
この他、教区の宣教活動をより有機的に機能させるために、教区の機構を改編する作業に着手する、議案第11号「教区機構の改編に向けた作業に着手する件」が可決された。背景には、各委員会の働きに重複があり、目的や範囲が曖昧になっている面があること、限られた人材と予算の中で、多岐にわたる働きを推進していくことが困難になっていることがある。
また、予算においては、常置委員会より負担金を各教会・伝道所の経済的実情にかんがみ2%減額することが提案され可決された。
三役選挙結果
【議長】柴田もゆる(廿日市)、【副議長】東島勇人(益田)、【書記】小畑太作(宇部緑橋)
常置委員選挙結果
【教職】金澤正善(小郡)、草地大作(防府)、大川清(岩国)
【信徒】土井桂子(廿日市)、栗原通了(福山東)、島敞史(宇部緑橋)
(嶋田恵悟報)