第65回/「合同」後42回定期総会が、5月15~16日に開催された。会場は、ユニトピアささやまという保養施設であった。神戸市内の教会以外を会場にするのは2004年以来ということである。神戸市内で開催するよりも、交通費・宿泊費などの問題で総会の費用は倍程度必要になるが、このことで教会同士の横のつながりを再確認しようという兵庫教区の姿勢があらわされたといってよいだろう。総会のテーマとして、「共存共感~分かちあい、響きあう豊かさ~」が掲げられたことも、この総会の方向性をよくあらわしていた。総会開会時の議員数は、正議員213名中157名であった。開会礼拝後、東日本大震災関連の報告のときがもたれた。報告では特に、今回の震災における被災者生活支援・長田センターの働きについて報告された。その他、教区内の信徒大会についての発題と、教区内教会互助についての発題がなされ、それを受けた形で、夕食と同時に分団のときが持たれた。夕食後、教区議長報告が1時間にわたって丁寧になされ、会計報告をもって1日目のセッションが閉じられた。
2日目に入り、諸報告の後、本格的に議案が審議された。議案8号『兵庫教区クリスチャン・センター会計不正流用問題総括に関する件』で、提案者の教区常置委員会は、この議案の承認をもってこの件に関わる全ての事柄を終結したいと説明した。議場には、2004年4月に発生した、この問題に関する77ページにわたる、膨大で、丁寧な資料集が配布された。議場は、この丁寧な資料集に関して一定の評価をしたが、なおこの問題の責任のとり方、再発防止に関する事柄など、この問題をこの時点で終結することに対して時期尚早との意見が多く出され、2件の修正議案が否決され、原案も140中57の賛成で、少数否決された。
議案7号『准允・按手執行に関する件』では、日本基督教団の二種教職制に対して長く問題提起をし続けている教区として、なかなか教団との議論が進まない状況をどう考えるのか、これから教団に対してどのように問題提起を続けていくのか議論がされた。その後、按手希望者の所信表明において、議場にいる全員での按手を希望する意見が出された。これに対し小林聖議長は、教団に按手を委任されている立場から、現時点で議場にいる全員での按手に踏み切ることはできないと回答し、なお教団と議論を続ける中で教区としての姿勢を明らかにしていきたいと述べ、4名の准允と、議長一人による4名への按手が行われた。
教団問安使挨拶は、同じ兵庫教区の岡本知之教団副議長により行われた。岡本副議長は冒頭、石橋秀雄教団議長による教区総会への挨拶文の中に沖縄教区への言及がないことを謝罪し、長田センターを中心とした東日本大震災への対応に対し、兵庫教区の底力を見たと感謝を述べた。また、震災後の対応として、教団としてなるべく早い時期に福島原発周辺に入りたいと述べ、加えて、大阪教区で起きた牧師不当逮捕に関し、抗議文を送ったことが明らかにされた。なお、問安使との質疑応答は時間の都合で行われなかった。
その他、『東北地方太平洋沖大地震・大津波、福島原子力発電所事故被災三教区の日常的教区活動支援に関する件』『北村慈郎教師免職処分に抗議し、処分の撤回を求める件』『合同のとらえなおしと実質化に関する件』建議案『東北関東大地震・大津波、東京電力福島第一原子力発電所事故に関する件』等が可決された。
(小林信人報)