第61回総会は、5月24~25日、名古屋中央教会に正議員203名中、開会時189名が出席して開催された。
1日目は、来賓挨拶、諸報告、三役選挙、常置委員選挙が行われた。
問安使として派遣された岡本知之教団副議長は、「2011年度教区総会への挨拶」に加えて、沖縄教区訪問の経過を報告し、更に東日本大震災について、海外と国内それぞれから募る献金額と、その具体的な用い方について説明した。
2日目は隠退教師感謝会から始まり、5名の准允式後、常置委員選挙結果が発表され、諸報告が続き、議案へと進んだ。
大きな議論を巻き起こした報告や議案はなく、すべて賛成多数で、承認あるいは可決された。その中で、教区がどう主体的に伝道に関わることができるか、という課題が示された。
例えば、開拓伝道を教区の責任において実施するという決議のもとに進められてきた桃花台伝道所について、移転場所の検討が続けられているが、状況は厳しい、との報告があった。
また、支援のあり方を考えさせる議論が幾つかあった。
その一つは、常置委員会報告内の「在広韓国人・朝鮮人被爆者救援会(現地五人委員会)」への中部教区平和聖日献金を巡る質疑応答で見られた。
当該問題が起こった経緯を知りたいとの要望に、高橋潤議長は次のように述べた。10年ほど前に会計報告を出してほしいとの意見があり、当時の教区社会部と五人委員会が協議して、会計報告がなされるようになったが、その後、信頼性を増すためにという当方の意図が十分伝わらずに、五人委員会側は会計処理を疑われていると受け止め、そこから問題が始まった。
この件について、金銭授受とそれに付随する事務処理だけの問題ではなく 戦争をめぐる歴史的な背景に対する配慮や、被爆者と共に歩むという本当に大切な事柄が置いてきぼりになっているのではないかとの意見が出された。
もう一つは、東日本大震災に関する二つの議案を巡る質疑応答においてである。議案2「2011年度宣教実施目標(案)」に盛り込まれた「東日本大震災被災教会再建のために協力し、祈る」ことを内容とする件。
これについて、能登半島地震被災教会再建献金の残金処理として、当該支援に回すことを検討してほしいとの意見が出された。また、岡本教団副議長によって示された「地域の人々の救いに仕える教会の再建」という教団の理念との整合性を図れば、地域の復興がこの文言に含まれているとの認識が確認された。
「2011年度通常会計予算に新しい費目を設け、会堂融資金会計より500万円を繰り入れ、教団救援対策本部の募金を待って、常置委員会の議をへて予算執行する」ことを内容とする議案5「東日本大震災被災教会等支援に関する件」。
人が共にいて一緒に重荷を担う人的支援を視野に入れながら、また現在ボランティアの運営など実際に活動している東海フェローシップに協力しつつ、教区として具体的に何ができるかをも検討してほしい、との意見が出された。
原発の問題に関して、教区内にも原発銀座(福井県南部)と呼ばれる現実があるという指摘があった。
三役選挙結果
【議長】井ノ川勝(山田)、【副議長】横山良樹(半田)、【書記】田口博之(名古屋桜山)
常置委員選挙結果
【教職】加藤幹夫(阿漕)、勇文人(若草)、渡部和使(名古屋北)、小堀康彦(富山鹿島町)、横井伸夫(金沢)、滝口洋子(鈴鹿)
【信徒】須田静代(名古屋中央)、大杉弘(若草)、野村敏彦(名古屋桜山)、辻康(四日市)、平尾貴美子(幸町) (秋葉恭子報)