女子寮のような交わり
渡邊百合子さん
桑原政江さん
静岡市の某アパートの一階、向かい合わせの扉の一方には静岡教会、反対側の扉には静岡草深教会のチラシが貼られている。隣同士の教会の教会員が、アパートでも隣に暮らしているのだ。
静岡教会の渡邊さんは奏楽の奉仕もしている。月末木曜の音楽礼拝のチラシは、毎月張り替えられる。静岡草深教会の桑原さんは、息子さんがいつも草深のチラシのデザインしている。クリスマスなどは同時に違う教会のチラシが目に留まる。渡邊さんと桑原さんも、お互いのチラシをほめ合ったりしている。
クリスチャン人口が少ない日本では、貴重な光景だ。
同じ建物の上階には、静岡教会の髙木さんが暮らしている。ある日、髙木さんが桑原さんの部屋を訪ねてきて、向かいの渡邊さんの部屋に連れて行った。そこでは渡邊さんがピアノを弾いていて、サプライズでお誕生会が開かれた。このアパートには更にもう一人、静岡教会員が暮らしている。せっかくこれだけクリスチャンが集まっているのだからと、祈祷会が開かれたこともある。そんな様子を静岡教会の疋野牧師は「女子寮みたい」と評している。
ある秋の日に「一人暮らしでは作らないだろう」と、栗ご飯の手作りのおにぎりを草深の飯田牧師が持ってきた。桑原さんはデイサービスで留守であった。するとおにぎり一個を世話賃にして、渡邊さんにことづけていった。そんな個教会を超えた交わりが、気軽に自宅でも行われている。
高木さんは目下介護の関係上、静岡にいつもいられるわけでない。90歳を超えた桑原さんも施設に入居して、かつてのように親密な交わりが常に持てるわけでない。それでも写真のように渡邊さんが訪問したりして、「女子会」は続いている。






