インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5037号】I Love Taiwan Mission(2面)

2025年9月27日

I Love Taiwan Mission
2025年7月3日〜17日 

「フォルモサの呼び声」

8名の青年を派遣

 台湾基督長老教会(PCT)青年委員会主催の国際青年宣教プログラム「I Love Taiwan Mission(ILT)」が今年も開催され、教団・台湾協約委員会から8名の青年が派遣されました。日本のほか、カナダ、アメリカ、韓国、ニュージーランド、コスタリカの諸教会から計24名の海外青年が参加し、PCTの受入青年25名と合わせて、総勢49名が集いました。
 今年のテーマ「フォルモサの呼び声(Formo-sa’s Voice)」(フォルモサはポルトガル語で「美しい」。台湾の別称)には、台湾の地域教会での経験や出会いを通して、PCTの160年にわたる宣教の歩みに触れ、励ましを受けて自らの教会に戻り、主に仕えてほしいという願いが込められています。
 プログラム初めの3日間は、1872年にカナダから来たマッケイ牧師(Rev. Dr. George Leslie MacKay)により設立された淡水教会および真理大学にて、全体オリエンテーションが行われました。続く9日間は、各参加者が台湾各地の地域教会に派遣され、ボランティアとして地域活動やサマーキャンプ、文化交流などに参加しました。
 派遣期間終了後は新竹聖書学院にて再集合し、各教会での体験や感想を分かち合いました。また、会場近くの十八尖山でのハイキングや、参加国ごとの発表による「カルチャーナイト(Culture Night)」も行われ、交流が深まりました。
 教団から派遣した8名は、台北中会士林教会、台中中会鹿谷教会、復興教会、彰化中会の萬興教会、嘉義中会の祥和教会、排湾中会の古華教会、魯凱中会の神山教会、東美中会の長光教会へ各1名ずつ派遣されました。
 出発前にはオンライン・オリエンテーションを実施し、北海教区のディヴァン・スクルマン宣教師と国際日語教会のうすきみどり宣教師の協力のもと、台湾教会の歴史や原住民族の背景について学びを深めました。また、昨年の参加者2名も準備に加わり、プログラム内容の説明や持ち物・心構えの共有を青年主体で進めました。
 さらに、事前に参加者間で連絡を取り合い、「カルチャーナイト」や派遣教会でのサマーキャンプに向けた準備も行うなど、主体的な参加姿勢が見られました。
 台湾に派遣された8名の青年たちは、それぞれの教会や地域での体験を通じて、現地の信仰生活、宣教の働き、文化の豊かさに触れ、多くの恵みと学びを得ることができました。この経験が、今後の信仰の歩みと教会での奉仕に生かされていくことを願っています。
(廣中佳実報)


【参加者の声】(報告書の抜粋)

★米田愛実 《田園調布教会》
 「イエス様を持って行くのではなく、すでにそこにいてくださる」。この言葉を実感したのが、鹿谷教会での奉仕と出会いでした。自然と静けさに包まれ、地域の方々の温かさに触れながら、子どもたちとのキャンプを通して神様の愛を深く体験しました。「谷川の流れを慕いあえぐ鹿のように、神よ、私の魂はあなたを慕い求めます」(詩篇42篇)。静かな山の上で、神様の愛をさらに深く慕い求める心が与えられました。この恵みを今後の歩みに生かしていきたいです。

★杉本琴音 《野幌教会》
 北海道の教会仲間の勧めでILTに参加しました。嘉義市の祥和教会で子ども向けサマープログラムに関わり、言葉の壁を感じながらも多くの学びがありました。純粋に楽しむ子どもたちの姿に心を打たれ、自分を見つめ直す機会にもなりました。聖書を分かち合う時間、昼食の時間など全てを切り取っても学び多い素晴らしい時間でした。礼拝で語られた「声=声明」という言葉に導かれていたと感じ、出会いや経験をこれからも大切にしていきたいと思います。支えてくださった皆さまに心より感謝します。

★加藤はな《片瀬教会》
 牧師に勧められて半ば気乗りせず参加したILTでしたが、台湾の人々の自然で温かな優しさに触れ、教会や地域の方々を心から好きになりました。とにかくよく歌い、よく笑う、過度に誰かを気遣うことはしないけれど、なんとなくお互いを関心の輪に入れている、飾らない優しさを持った人々に出会い、たった11日間で自分でも驚くほど長光教会と周辺の人々を好きになり、しまいには離れがたさに泣いてしまいました。この経験を通して、日本の子どもたちにも彼らがくれたさりげない愛と優しさを届けられる人になりたいと感じています。

★森湖都葉 《月寒教会》
 台湾南部の神山教会に派遣されました。台風の中、外出できない状況で、皆で机を囲んで他愛もない話をしながらカードゲームをした時間が私たちの仲を深め、相互理解に繋がったと感じています。子どもたちとの触れ合いも深い学びとなりました。感恩節(感謝祭)には韓国語、日本語、英語、魯凱語、台湾華語の5言語で「なんて偉大なわれらの主」を賛美しました。今でも繰り返し聞いては、その度に祈り、賛美し、語り合った、言葉では表せないほど幸せな神山での日々を思い出しています。原住民族の生活や日本統治の歴史にも触れ、日本人として考えさせられることも多くありました。9月からの台湾留学を通して、さらに理解を深めていきたいと思います。

★西嶋莉里 《御影教会》
 小学生の頃から母と教会に通っていましたが、信仰や聖書を深く理解できずにいました。昨年ILTに参加し、神様の愛と仲間との絆に励まされました。台湾留学中もその経験を思い出し支えられました。今年は士林教会へ派遣され、南部の子どもキャンプで奉仕をしました。キャンプの企画から運営までほとんど全て士林教会ユースが主体となっており、私も昨年より積極的に関わることができました。キャンプ後、士林教会牧師の「PCTやUCCJのような組織や建物ではなく、あなた自身が教会なのだ」という言葉に感銘を受け、青年たちの愛と奉仕の力を実感しました。出会った全ての方と神様に感謝します。

★指方虹希《札幌北光教会》
 私は台湾の復興教会に派遣され、地域の子どもたちと「花」(マタイによる福音書6章25〜34節)をテーマにしたサマーキャンプに参加しました。花瓶作りや生け花、日本と韓国の花にまつわる昔話を共有しました。こうした活動の中で「私たちは美しく彩られている」というメッセージをそれぞれが受け取る時間となりました。神の愛や命の尊さは言葉を超えて伝わることを実感しました。復興教会の人々は「一期一会」を大切にし、私を家族のように迎えてくれました。国や言葉の壁を超えるやさしさは、人を生かす力だと感じました。この経験から、一度きりの出会いにも愛をもって接し、その素晴らしさを伝えていきたいと強く思います。

★沖崎あいみ 《金城教会》
 多様性あふれる台湾での共同生活を通し、信仰を土台に人と学び合い、つながる喜びを経験しました。派遣先の教会では50人以上の子どもたちと過ごし、キャンプや病院訪問、台風被災地への支援にも参加しました。言葉も文化も異なる中で、常に愛を注いでくれた人々の姿に、聖書の「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」という言葉を思い出し、隣人愛の本当の姿を体感しました。現代社会では、グローバル化が進む一方で、他者を排除する機運が高まってきています。その中において、私が今回学んだ「隣人愛」の実践を、まずは母教会の中から始めていきたいと思いました。

★榎本光太 《甲西伝道所》
 二度目のILT参加でしたが、今回は屏東のパイワン族の古華教会に派遣されました。前回は台中の都市部にある教会に派遣されたので、期待しつつ不安もありました。特に印象に残っていることは、普段やんちゃな子供たちが讃美歌を歌ったり、お祈りしたりというのを自然にしていたことでした。まさに「わたしとわたしの家は主に仕えます」(ヨシュア記24章15節)を体現するように村全体が信仰に生きているように感じました。親の多くが出稼ぎで不在な中、村全体で子どもを育てる大切さを感じました。滞在中は多くのパイワン語を教えていただきましたが、特に「Masaru(ありがとう)」という言葉が初めての地で無力な私にぴったりの言葉でした。日本語が残る文化的背景に触れ、人々の歴史と想いに耳を傾ける貴重な経験となりました。再び参加できたことに深く感謝します。

 

教団新報
PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2025
The United Church of Christ in Japan