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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5034号】伝道のともしび(4面)

2025年7月12日

伝道推進室より応援した教会・伝道所
「神の御業を見させていただく」

高知中村教会牧師 内藤 達也

 高知中村教会は、高知県西部、有名な清流四万十川の河口にある豊かな自然に囲まれた四万十市(2025年5月現在の人口3万1106人)の町の中心部にあります。教会の近くにある町のシンボルの赤鉄橋から眺める四万十川の風景は絶景です。特に春は菜の花畑が美しく、堤防は春の草花で覆われます。現在の四万十市の課題は、高知県全体もそうですが、高齢化に伴う自然減少と若者層の都市部への流出による人口の減少です。

 四万十川との支流の後川に囲まれた三角州のほぼ真ん中に立てられた高知中村教会は今年創立102年を迎えました。その歴史の中で、いつの時代もそうでしたが、今も神の愛と憐れみに満ちた神の御働きによって、その御業を見させていただいています。四国教区に赴任してよく耳にしたのは「神の御業を見させていただく」という言葉でした。自分で何かを成し遂げるというより、神に仕えつつ神の御業の目撃者となり、その証言者にさせていただくというのが、この教会の姿かと思います。

 高知中村教会の102年の歩みの中には様々なことがありました。地域の中での対立や教会の分裂、教区や分区と疎遠になった時期もありました。しかしそのような中にあっても、また人間的な欠けや過ちがあっても、神がその都度ふさわしい助けを与えて教会として保たせてくださったことを思います。

 わたしがこの教会に遣わされて25年目になりますが、当初は年配の女性信徒7名の教会でした。小さな群れでありましたので家族のような密度の濃い交わりの中、礼拝と祈祷会をささげ続けてまいりました。どのような状況にあっても礼拝を絶やさない、礼拝と祈りをささげ続けるというのがこの教会が最も大切にしてきた、そして今もそうしている信仰姿勢です。

 さて、先に述べましたような教会の歩みその中でのマイナスと思える出来事も、教区や分区の諸教会の祈りと働きかけもあり、現在は交わりが回復され、教会の経済的な課題も関係教会や教区互助、近隣教会との連帯によって支えられ、この町に福音のともし火を灯すことが許され、今に至っています。

 わたしを招聘し、礼拝を共にささげてきた教会員の方々が主の御摂理に従って天に召され、礼拝出席可能な現住陪餐会員がゼロになろうとしていたとき、不思議と2名の転会者が与えられ、4、5名で礼拝をささげ続けてきましたが、昨年2024年度には30代の方2名が(1名が受洗、1名が信仰告白式)与えられ、今年3月に入り、こちらに移住されてきた30〜40代の方々も加わり、この地で福音の光を灯し続けることが神のみ旨であることを確信しつつ礼拝をささげています。

 教会は、人の思いでは測り知ることのできない神の業、神の御計画によって導かれていることを実感し、感謝しています。

教団新報
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