将来に向けて課題に取り組む
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東京
支区交付金の減額に取り組む
第85回東京教区定期総会が5月27日、富士見町教会にて開催された。開会時の正議員の出席者数は451名中、312名だった。
議長報告において渡邊義彦議長は支区交付金の減額に取り組んでいること、教勢は前年に比べて若干回復してはいるがコロナ禍前よりは大きく減少していること、予算を大きく上回る献金への感謝、経常互助費のすべての申請に応じられなかったこと等を述べた。これに対して経常互助費のすべての申請に応じることを求める意見、過去に教師検定試験受験志願者が教区の推薦を受けられなかった件で対応を質す発言があった。
教区三役選挙では、渡邊議長と伊藤英志副議長がそれぞれ再選を果たした。また議長と副議長の合議により原田裕子書記が新たに選出された。なお原田教師は常任委員の任期途中であるため、前総会における常置委員半数改選選挙の次点者である大久保正禎教師(西片町)を繰り上げることが議場に諮られ承認された。
教団問安使として黒田若雄教団総会書記が挨拶に立った。問安使挨拶に対しては、出版局が教団より2000万円を借り入れた件について質問が出た。これについて黒田書記のほか総会議員として出席していた出版局の髙橋潤理事長、網中彰子局長代行も回答にあたった。
24年度決算の収支差額は総会引当金から100万円、教区資金から700万円を繰り入れた上で5343円の差益という非常に厳しい状況であると説明された。特に教区資金はこのままでは近い将来に枯渇する恐れがあるとの説明があった。
2025年度予算については、支区交付金の減額が盛り込まれた。東京教区には准允・按手礼執行をはじめ教区教務の一部を分担する支区がある。5支区の教区負担金、教会数、面積を考慮して減額幅は約3〜20%と異なる。これによって24年度比で81万円あまりの削減となる。なお減額は継続して行われ、5年後に24年度比50%とすることを目指す。予算案は異議なく可決された。
議事終了の時点で常置委員半数改選選挙の開票作業が完了しておらず、なお時間を要する見込みのためこのまま閉会し、閉会後は三役と任期継続の常置委員立ち会いのもとで開票を継続すること、結果については後日郵送することが提案された。議場は異議なく了承し、予定より約1時間早く閉会した。
三役選挙結果
【議長】渡邊義彦(柿ノ木坂)、【副議長】伊藤英志(三軒茶屋)、【書記】原田裕子(薬円台)
常置委員選挙結果(半数改選)
【教職】藤盛勇紀(富士見町)、古旗誠(目白)、岸憲秀(千葉本町)、遠藤忠(むさし小山)、篠田真紀子(浅草)
【信徒】大城操(洗足)、守安久美子(船橋)、大友太郎(経堂北)、川添裕一(自由が丘)、佐藤深之(亀戸)
(米山恭平報)
東北
「主の希望に生きる教会」を主題に
第80回東北教区総会が、5月27〜28日、東北教区センターエマオで、開会時正議員140名中106名が出席して行われた。
常置委員会報告では、髙橋真人議長が、「第80回東北教区総会を迎えるにあたって」を朗読。2024年度は、教区財政が逼迫していることを受けて、交通費減額や予算内執行をめざしたこと、中期的課題として委員会再編の検討を進めていること、「放射能問題支援対策室いずみ」の甲状腺検査が100回を迎え、機器の更新をしたこと等を報告した。また、昨年8月に「戒告」の処分を受けた、前・涌谷教会教師が、別組織である「涌谷保育園」の理事長として留まっていることを受けて、常置委員会として「辞任勧告」をすべく書面を届けたことを報告、「地方の小さな教会の歩み、関連施設の働きをこれ以上滞らせないために、教区としてなし得ることを重ねて行く」ことを次期常置委員会に求めた。
協議の中で、東日本大震災に関する教区の取り組みを評価しつつ、風評被害で差別を受けている人がいることを指摘し、「検査を実施した結果、当初心配していたこととは違っているということを社会に発信して欲しい」との意見があった。
「教務教勢諸報告」の中で、瀬谷寛書記が、県別の教会数・教師数を記載する際、今回から兼務・代務の数を記載するようにしたことを告げ、「教区81教会・伝道所の内19が兼務・代務」と述べた。
24年度決算、25年度予算(案)を承認した。決算報告の中で、関川祐一郎財務委員長は、経常会計において予算内に収まったことを報告しつつ、近年、別途積立金から200万円程を繰り入れることによって経常会計が成り立っていること、積立金会計が2500万円程であることを告げ、今後の教区形成について検討する必要性を指摘した。
「東日本大震災に関する件」では、2011年第66回教区総会において可決された「東日本大震災対応及び東京電力福島第一原子力発電所事故対応に関する件」の基本姿勢、および、「教会救援特別会計」、「放射能問題支援対策室いずみ」等の働きを継続することを可決した。
2025年度東北教区宣教計画(案)に関する件では「22〜31年度東北教区長期宣教基本方針」に則り、主題を「主の希望に生きる教会」とする宣教計画を承認した。
東北教区地区規則(準則)改定に関する件では、地区総会の構成する信徒議員について、「代表する信徒」とある現行規則を、「役員たる信徒」と変更することを可決した。
教団問安使として、黒田若雄書記が挨拶した。質疑応答の中で、涌谷教会の問題の出発点は、神学校が担当した人事にあったことを指摘し、教団が、御心に適った形で教師養成がなされているのかを検証することを求める意見、東日本大震災を受けて教団が出した声明の中の文言に、当時、懸念されていたことで現在は違った状況にあるものが含まれていることを踏まえ、14年経った現在の声明を出すことを求める意見があった。
四役選挙結果
【議長】荒井偉作(名取)、【副議長】瀬谷寛(仙台東一番丁)、【書記】齋藤篤(仙台宮城野)、【宣教部委員長】新田恭平(猪苗代)
常置委員選結果
【教職】布田秀治(いずみ愛泉)、中本純(仙台東六番丁)、福島純雄(福島)
【信徒】森睦(天童)、齋藤仁一(山都)、石原裕子(常磐)
(新報編集部報)
奥羽
「人権侵害防止委員会」を設置
第80回奥羽教区定期総会が、5月20〜21日にかけて奥羽キリスト教センターチャペルにて開催された。開会時、正議員109名中84名の出席があり総会は成立した。また准議員29名中4名の出席があった。
議案第4号准允受領願いの件が承認された後、直ちに准允式が執行され、新しい教師が立てられる喜びが議場全体で分かちあわれた。
今総会は教区三役・常置委員の改選の年であったが、選挙に先立ち教区三役・常置委員の同一役職連続任期を3期までとする教区規則変更について諮られ、承認の後選挙が実施された。昨年度策定された奥羽教区「第7期教区長期宣教基本方針」の中で、「多くの人がさまざまな課題に関わるしくみ(長期宣教基本方針より)」をつくる目標が掲げられたことを受けてのものであった。
教区「教育資金貸与会計」貸付金の中で、借入者の返済能力なしと判断せざるを得ない貸付があり、これを損金処理とする議案が可決された。
また、今総会において、「奥羽教区に『人権侵害防止委員会』を設置し、『ハラスメント相談窓口』を運営する件」が承認された。今後常置委員会においてガイドライン、規定・規則を定め、窓口の具体的な運営に入っていくこととなる。
二日目の追悼礼拝に続いて、教団問安使として網中彰子総幹事が挨拶した。教団の教師論について、沖縄教区との関係回復についてなどの質疑応答が交わされた。
今年度の宣教計画について、特にこの10月に「部落解放全国会議」が初めて奥羽教区を会場として行われることを受け、教区として協力していく活動計画が提案され、承認された。
議事が予定より早く進行したため、教団問安使との質疑応答の時間を再度設けた上、議長による閉会祈祷をもって終了した。
三役選挙結果
【議長】小林よう子(八戸小中野)、【副議長】多勢眞(五所川原)、【書記】松浦裕介(下ノ橋)
常置委員選挙結果
【教職】鈴木道也(花巻)、中西絵津子(脇本)、柳谷雄介(新生釜石)
【信徒】遠藤清賢(江刺)、宮腰桂子(鷹巣)、上原惠(三本木)
(松浦裕介報)
西東京
立川開拓伝道、新たな幻の構築を目指す
第51回西東京教区定期総会は、6月1日から2日にかけて阿佐ヶ谷教会を会場に行われた。開会時、正議員188名中133名の出席があり、定足数62名を満たして成立した。
開会礼拝は、山口玲子常置委員の司式、岡村恒常置委員の説教により、一同が神を賛美し、み言葉による力を与えられた。また、礼拝の中で古屋治雄常置委員の司式により聖餐式が行われ、参加者一同、聖餐の恵みを共にすることが出来た。
「2025年度宣教活動計画に関する件」では、立川開拓伝道に関して、信徒の交わりを深めつつ、新たな伝道の幻の構築を目指すこと、青年伝道に関して、各教会で青年委員会を開催し、青年の連帯をはかること等を決議した。「2024年度教区歳入歳出決算承認の件」、「2025年度教区歳入歳出予算承認の件」、「教団年金を守るための教区推進案に関する件」などが可決された。「2025年度西東京教区総会への教会互助制度に関する議員提案」では、謝儀の少ない教師への互助が提案されたが、83名中、賛成17名で否決された。尚、この議案審議の中で、西東京教区特別会計規則の中には、既に「教会互助特別会計」が設けられていること等が再確認された。
また、「准允に関する件」が上程され2名の教師の准允式が執り行われ、新たな教師の誕生を皆で共に喜び祝うことが出来た。
三役・常置委員(半数改選)の選挙が行われた。
三役選挙結果
【議長】岩田昌路(狛江)、【副議長】衛藤満彦(玉川)、【書記】長尾大輔(相愛)
常置委員選挙結果(半数改選)
【教職】岡村恒(高幡)、布村伸一(高井戸)、松木進(花小金井)、山口紀子(更生)
【信徒】寺山正一(小金井緑町)、中嶌曉彦(八王子)、仁田工美(立川)、福田栄一(狛江)
(村尾政治報)
東中国
「将来的東中国宣教の骨子」具体化に取り組む
第74回東中国教区総会が5月26〜27日、岡山県の蕃山町教会で、開会時正議員84名中60名が出席して行われた。
開会礼拝では、永倉直嗣牧師(岡山聖心)による説教、山田邦彦牧師(和気・三石)による聖餐式が執り行われた。また二日目には、藤田和也師(岡山)の准允式が服部修議長(蕃山町)司式により執り行われた。
教区総会議長報告、常置委員会報告、各地区報告。各委員会報告等の承認は、事前に資料を読んでいることを前提にして進められ、特に議論となることも無くスムーズな議事進行がなされ、2024年度決算、2025年度予算も可決された。
「将来的東中国教区宣教に関する件」については、第73回教区総会にて承認された将来的東中国宣教の骨子③「宣教を担う部署の設置」、および④「委員会全体を通して予算をサポートする費目および部署の設置」について、これまでに様々な議論が進められ、具体化するためには、さらに諸委員会の活動や課題を共有する場が必要であるとの共通認識が得られた。さらに今後2年間、骨子実現のための議論を重ね、具体的方向性と理解を進め、最終的に常置委員会が責任をもって第76回教区総会までに実行案を提示することが提案され承認された。
三役選挙結果
【議長】服部修(蕃山町)、【副議長】中井大介(倉敷)、【書記】塚本望(鳥取信和)
常置委員選挙結果
【教職】廣田和浩(岡山)、三浦きょうこ(玉島)、宮本裕子(久世)
【信徒】河田直子(蕃山町)、土井しのぶ(総社)、平川英勝(児島)、宮脇俊昭(倉敷)
(塚本 望報)
東海
「伝道厚生強化献金」を開始
第114回東海教区総会が5月27日から28日、静岡教会にて開催された。開会礼拝では、日本基督教団信仰告白によって信仰告白をし、宇田真議長による「あなたの聖なる霊によって」と題された説教によって詩編第51編11〜15節が説き明かされ、聖餐が執り行われた。開会時の出席議員は、正議員183名中122名。
2024年度議長報告として宇田議長は次のように語った。第2次5カ年計画の3年目として、「ただキリストを信じる信仰により、罪赦され義とされる教会」の主題のもと、教区各部各委員会、各分区の歩みが果たされたことへの感謝と、続く計画4年目の主題「聖霊により潔められて義の実を結ぶ教会」についての理解が教区内で深められ共有されることを願う、と述べた。
教区財政に関して。長年縮小傾向にあること、特にそのことが、東海教区において謝儀互助を行う「伝道厚生資金会計」の予算編成に大きな影響を及ぼしていることを示した。その課題への対応として2024年度、制度のあり方と財源についての検討が重ねられ、本総会に議案が提案されていることを語った。
また2024年10月開催の第43回教団総会において「日本基督教団の全体教会としての一体性を確認する件」が可決されたことについて、教団が機構改定の協議を進めてゆくための土台して、この議案を可決したことへの評価を表した。教団の能登半島地震被災教会・施設の再建支援に関しての活動を紹介し、教区内教会・伝道所に対して、これまでの協力への感謝を述べ、なお祈りを合わせて参りたい、と述べた。
本総会の重要議案の一つとして「伝道厚生強化献金を開始する件」を可決。これは議長報告にある、「伝道厚生資金会計」の財政的課題への対応として提案されたものである。2025年度より年間400万円を目標として「伝道厚生強化献金」を教区内教会・伝道所に呼びかける、献金運動を実施する。このことによって、東海教区伝道厚生規則1条にある「教区ならびに教区内教会・伝道所の伝道の進展と連帯を目指す」ことの深化が求められる。
他の重要議案として「按手礼式執行に関する件」が可決され、主の恵みによって新たに正教師1名が立てられた。
四役選挙結果
【議長】柳谷知之(松本)、【副議長】宍戸俊介(愛宕町)、【書記】石井佑二(遠州)、【伝道委員長】新里正英(三島)
常置委員選挙結果
【教職】宇田真(岩村田)、川崎一路(清水)、横井伸夫(長野)、宮本義弘(沼津)
【信徒】林信孝(松本)、森里光生(遠州)、関尚子(沼津)、土田耕造(静岡)
(石井佑二報)
沖縄
宜野湾伝道所と志真志伝道所の合併を承認
第86回沖縄教区定期総会が5月25〜26日、沖縄キリスト教センターで行われた。
以下の議案を扱い、全て可決された。
◎議案第1号 議事日程承認に関する件
◎議案第2号 総会特別委員選任に関する件
◎議案第3号 現「霊園管理運営規程」の廃止に関する件
◎議案第4号 新「霊園管理運営規程」制定に関する件
◎議案第5号 宜野湾伝道所と志真志伝道所の合併に関する件
◎議案第6号 2024年度沖縄教区経常・特別・収益会計決算報告承認に関する件
◎議案第7号 2024年度沖縄キリスト教センター事業及び決算報告承認に関する件
◎議案第8号 2025年度沖縄教区経常・特別・収益会計予算案承認に関する件
◎議案第9号 2025年度沖縄キリスト教センター事業及び予算案承認に関する件
◎議案第10号 第86回沖縄教区総会議事録確定に関する件
常置委員会では、沖縄「戦後」80年を迎えたものの、沖縄戦のとらえ方と敗戦後も続く戦の苦しみ、軍隊の横行、日本社会でも戦争準備を行っている態様を見ると、「戦後」との言葉の使用には躊躇する状況があることを受けて、神に祈ること、祈りを通して各教会・伝道所へ、そして社会へ、教区の姿勢と願いを伝えたいという思いで総会に備えた。教区総会議場では、上地武議長が、「『戦後』80年を迎える沖縄教区の祈り」を朗読した。
本来なら前回からの継続として「『沖縄教区巡回教師規程』(案)制定に関する件」及び人権侵害に対する委員会設置に関する件(仮称:「人権侵害に対する防止委員会」)が審議される予定だったが、議案を整えることができなかった。そうした中で、「宜野湾伝道所と志真志伝道所の合併に関する件」は喜ばしい議案として上程できた。
また第85総会期常置委員会で継続して協議してきた「霊園管理運営規定改正に関する件」では、旧規定の廃止と新規定の成立を可決した。
沖縄キリスト教センターの報告では、2025年度はセンターが創立40周年を迎え、記念事業に関する報告が行われた。
(仲本 瑩報)






