昔、「幸せって何だっけ、何だっけ~」という歌がCMで流れ大ヒットした。バブル崩壊前のまだ調子のいい時代に、いい調子に乗りながら多くの人が改めて問い問われた。私が洗礼を受けたのもこの年。幸せって何だろうか。いつの時代でも問われているが、答えはそれぞれ。何の意味があるのか知らないが、毎年「○○別幸福度ランキング」などというものが発表される。多くの人は幸せをある目標値でとらえて、今自分はどのあたりに到達しているかとイメージするからか。
しかし、「幸せは目標ではなくスタートだ」という考え方もある。何かを獲得したり、達成するところに幸せがあるのか?ある条件をクリアしたら幸せなのか?そうした考え方に対し、「では、赤ちゃんは幸せではないのか?」という問いが向けられる。赤ちゃんは経験値ゼロ、達成度ゼロ、獲得ポイントもゼロのスタート地点。しかし、幸福度ゼロから最も遠いではないかと。
イエスは、「○○な人々は、幸いである」と言われた。まず、「幸いだ~」と。詩編もこの言葉から始まって、「ハレルヤ」で終わる。その間に感謝や喜びもあれば、恨み辛みもある。しかし、そもそも出発点が幸いだ。イエスにあって幸い。神の国にあって幸い。そこから経験し歩める幸せ。
(教団総会副議長 藤盛勇紀)