【九州教区佐賀地区】
守り通すことの重みを噛みしめて
佐賀地区では毎年、2月11日に「2・11信教の自由を守る日」集会を行っています。
今年は第二次世界大戦終結から80周年を迎えます。世界の色々な国や地域で、それぞれの立場からこの年を記念します。一方では敗戦・挫折・失敗・占領。もう一方では勝利・成功・解放…。
誰もが、どこに立ってこの年を迎え、次の一歩を踏み出すのか問われます。わたしたち日本の信仰者は、80年前、日本国憲法が施行され、信教の自由が保証され、誰もが自由に信仰生活を守ることができる恵みをいただいた、その原点に立ち帰るべきとの思いをもって、参集者一同で開会礼拝をささげました。その後、秋永好晴教師(久留米櫛原教会牧師)を講師に迎え、「バルメン宣言と私たちの信仰」と題して講演を聴きました。先生からバルメン宣言成立の歴史的経緯、教会闘争の意義、また同宣言の6つのテーゼについて深く学びました。
昨年はバルメン宣言が決議されて90周年でしたが、バルメン宣言について初めて耳にする人も幾人かはいたようでした。
しかし、講演を通してマルティン・ニーメラーが神さまから問われ続けた「正しく福音を語らなかった責任」の問題と、この宣言の起草に関わったカール・バルトの「明確さなしには何ら決断したことにはならないし、決断なしには何らの平和もありえない」という言葉が聴く者の胸に強く迫り、改めて信仰・信教の自由を守り通すことの重みを噛みしめさせられました。
当日は、九州教区と共催の「地域と教会」伝道協議会が同日開催されたこともあり、地区内6教会、地区外10教会から41名が共に集い、平和への思いと、真実なる神さまに対する信仰を新たにすることができました。昼食を共にし、午後の一時、少人数の分団に分かれて意見を交わし、思いを分かち合うこともできました。主にある恵みに満ちた一日でした。感謝。(工藤俊一報)
【四国教区南予分区】
関心と意思表示こそ解決の希望
2月11日、八幡浜教会を会場に四国教区南予分区2・11信教の自由学習会が開催された。講師に山本光一氏(隠退教師)を招き、33名が集った。テーマは「パレスチナ問題解決の希望」。出席者には会員の友人なども含まれており、関心の高さがうかがえた。
山本氏は最後のパレスチナ訪問から帰国しておよそ10日後に紛争が始まったとのことで、パレスチナ現地での出会いや経験から鳥瞰図ではなく「虫瞰図」で語ってくださった。ハマスとイスラエルの戦争の原因はイスラエルによる入植植民地主義、占領戦略であり、絶望的だが諦めてはいけないとの言葉で始まった講演では、抑圧され過酷な状況にあっても明るさを失わず、決して諦めないパレスチナ人の姿勢や、イスラエルにおいても占領政策に反対するユダヤ教のラビたちがいることを知らされた。ヘブロンに住む老人の「日本人は優しいと思う。広島と長崎を経験しているから。アメリカの占領を経験しているから」との言葉は重い。パレスチナの人が想像しているほどの関心と共感を我々は寄せられているのだろうか。
講演の後には質疑応答の時間が持たれた。中立であることの危うさについての質問に、キリストはいつでも立場の弱い側につかれ中立ではあり得なかった、それゆえに強い側に殺されたのであるから自分も弱い側に置かれたパレスチナ側から物を見る姿勢を大切にしたいと語られた言葉が今も胸に響いている。パレスチナをめぐる問題に関心を寄せ、意思表示をすることが国際世論を形成することにつながる、それこそが解決の希望だと教えられた。キリスト教シオニズムの存在も影響力を持っているが、キリストに従う者としてはっきりと反対の姿勢を示していきたい。
関連書籍を販売するブースも設置でき、好評だった。開催に協力くださったアハリー・アラブ病院を支援する会、松山キリスト教書店に感謝申し上げる。(梅崎須磨子報)