聖霊にとらえられて
芳賀よし子さん
クリスチャンの友人の誘いで、初めて石巻山城町教会の礼拝に出席したのは13歳の頃。その後上京し、お姉さんの誘いで銀座教会の礼拝や祈祷会、讃美歌練習会に出席するようになった。しばらくして、三井勇牧師より受洗を勧められた。神さまのことも信仰もよく分からなかったが、三井牧師は「受洗は卒業ではなく入学ですよ。これからみ言葉を学ぶことですよ」と微笑みながら優しく語りかけてくれた。この言葉に後押しされて、1954年のクリスマスに受洗した。
その後石巻に戻り、結婚を機に夫も信仰を与えられた。夫は病身で59歳の時に天に召された。24年間の結婚生活のうち23年間は闘病生活だった。夫の介護、子育て、仕事に明け暮れる毎日だったが、不思議と今はそのすべては神さまのご計画であり、神さまのなさることに無駄はないと思える。
東日本大震災の時には、自宅の1階が浸水し、食料も水もない中4日間一人で救助を待ち続けた。その間、眠れない夜を過ごしながら、神が創造し、支配されるこの世界に起こる苦難に対して「神さまあなたの御心はどこにあるのですか」と問うばかりであった。この時主イエスの憐れみを失いかけていた。しかし、聖霊が芳賀さんの心と耳を開いてくれた。不安の中でみ言葉が次々とささやいた。「主は与え、主は取り去る」、「わたしはあなたを見捨てない」。聖霊の働きを確信できたとき、雲が晴れたように思い煩いから解放された。いかなるときも主は聖霊を通して働いてくださり、共におられる。91歳となった今も、この信仰の確信に生きている。芳賀さんは、「今私には何も悩みがないのよ。信仰が与えられているって本当に素晴らしいね」と語ってくれる。この先も主に委ねて生きていく。