主の憐れみにあずかることを目指して
第42総会期第1回牧会者ならびにその家族の精神的なケアを考える全国交流会(以下全国交流会)が、11月18〜19日にかけて、教団会議室を会場に実施された。全国交流会は、今まで、障がいを考える小委員会において同じテーマで3回開催されたが、牧会者とその家族のための相談室委員会主催としては、今回が初めてとなり、コロナ禍による延期もあり、6年ぶりの開催となった。
相談室委員長の加藤幹夫教師による開会礼拝をささげ、オリエンテーションの時を持った。開会礼拝とオリエンテーションを通して、教会の危機的状況、その中心におかれている牧師とその家族の危機的な状況を受け止め、目に見える問題解決ではなく、共に弱さや苦しみを抱えた同労者として、福音の恵みに与ることが、全国交流会の目的であることが委員長から示された。
講師の蔡香氏(牧会カウンセラー・精神保健福祉士)より、「牧会者とその家族のケアのために」という講演を受け、質疑応答の時を持った。参加者は積極的に発言し、講師の講演から、テーマについて掘り下げて受け止め、考える機会となった。特に牧会における対人援助において、牧師や家族は自分の限界を超えて相談者の援助をしようとしてしまうが、それは相談者にとっても負担になることがあるので、限界を超えないように気をつけることの大切さが示された。
全体での交わりの時は、教区名、教会名と自身の名前、そしてストレス解消法を語って頂き、アイスブレイクとして和やかな時を持った。
翌日は、7分団に分かれて、少人数での分団協議の時を持った。分団協議の内容は、公開しないとの約束のもと、それぞれの分団で牧会の現場における苦悩を分かち合い、祈る時を持った。
本委員会の活動や全国交流会は、目に見える成果がすぐに出るものではなく、問題解決でもない。弱さを丁寧に受け止め、共に主の憐れみにあずかることを目指して、歩みを進めたい。(吉澤 永報)