第43回教団総会について協議
第11回常議員会が7月1〜2日、教団会議室で常議員全員が出席して行われた。
書記報告の中で黒田若雄書記は、出版局ステアリング・コミッティにつき、「今総会期をもって終了することを確認した」と報告した。
総幹事報告では網中彰子総幹事が、能登半島地震の対応について、教団として、3回、被災教会を公式に訪問したこと、新型コロナウイルスに関連して、礼拝出席者数の停滞は否めず、財政状況も悪化していることを受けて、既に行われている負担金削減プログラムに加えて、経費削減に努めること、教団メディア(広報)について、「オンラインルーム」が完成したこと等を報告した。
信仰職制委員会報告では田邊由紀夫委員長が、長年の課題である式文の改定に先立ち、現在用いられている、「口語式文」、「試案と解説」、「試用版」についての指針を、特に、准允、按手礼、洗礼式の式文を比較しつつ作成していることを報告した。
教師養成制度検討委員会報告では、菅原力委員長が、15頁にわたる、教規から導き出される「日本基督教団の教師論」を配布した。協議の中で、教師論の拘束力が問われ、菅原委員長は、委員会では考えておらず、扱いをどうするかは常議員会で議論すべきことと説明した他、「私たちは既に、聖書、信条、教会法の中に位置づけられており、教師論が新しい拘束性を持つということではない」と述べた。報告を承認した後、雲然俊美議長は、「教師論」の取り扱いについて、「8月に常議員の協議会を開催、10月の常議員会で三役から提案したい」と述べ、議場は承認した。
東北地方地震被災教会会堂等再建支援委員会の報告では、篠浦千史委員長が、2021年の地震から3年が経ったことを受けて委員会を閉じること等を提案した。これを受けて、新たに議案を立て、委員会を終了し、不足分210万1574円は、東日本大震災救援対策継続委員会会計からの繰り入れによって処理することを可決した。
第43回教団総会準備委員会報告では、豊川昭夫常議員が協議事項につき、「傍聴者はオンラインで。来賓は招かず、信徒の交流、解放劇は行わない。参加費は2万円。会場は3階のみを使用(費用2470万円)」等を報告した。審議の中で、議事運営をスムースに進めることにつき、具体的に検討してほしい等の意見が出た。また、第43回教団総会に関する件では、主題を「キリストのからだなる教会」とすることの他、教団総会議員、准議員、特別委員、礼拝奉仕者等を承認した。
能登半島地震で被災した3教会及び教会関連幼児施設の再建に取り組むために、「能登半島地震被災教会会堂等再建支援委員会」を設置することを可決した。
(新報編集部報)
協議会 二種教職制の課題を共有
一日目の最後に二種教職制について協議会が行われた。第42回教団総会後に九州教区から出された抗議の中で、教憲9条の改正に向けた協議を進めるべきとの提案があったことを受けてのもの。
冒頭、雲然俊美議長が発題し、第32回教団総会(2000年)で「『教憲第9条を検討する件』(第31総会から継続)を可決後、総会期をまたいで継続して審議をし、第34総会期の常議員会が、「機が熟していない」との理由で、本件を終結するまでの流れを振り返った。その中で、3委員会(教師、教師検定、信仰職制)で協議がなされた他、「教憲9条検討作業委員会」を立ち上げ、教憲・教規の変更案も提案されたことを説明し、多くの労力が割かれて来たこと、改正には広範な議論が必要であることを確認した。
発題を受けての質疑応答では、最終報告の「機が熟す」とはどういう状況なのかが問われ、作業委員会のメンバーでもあった藤掛順一常議員は、当時の協議の中で、この問題が、様々な教派的伝道がある教団で、教会論、教師論をどう確立して行くかと関係するとの認識に至ったことを説明、「『機が熟す』とは教団の教師論が確立されて行くこと」と述べた。
協議の中で、「二種教職制」が、カトリック(叙階性)と異なり万人祭司に立つプロテスタントにはなじまず、また、説教ができるのに聖礼典ができない教師というのは在り方としては間違っていることが確認された。
二種教職制に対する積極的な立場からは、補教師期間の学びは、教会で仕えつつ課題を見出して学ぶという意義があり、インターン制度のようなものが必要であることが指摘された。一方、改正を求める立場からは、補教師を主任担任教師として迎え、聖礼典が執行できないという教会の悲しみは一層厳しくなっており、また、補教師が大きな教会の伝道師となる道筋が成り立たなくなっているとの意見があった。
日下部遣志九州教区議長は、九州教区が、「間違っていると皆が分かっていながら続けていることはおかしい」と訴えて来たことを告げ、「教師を一本化してから、様々な課題に取り組んで行けば良い」と訴えた。
(新報編集部報)
財務関連 23年度歳入歳出決算を承認
財務関連の議案はまず予算決算委員会報告が宇田真委員長によってなされた後、23年度第3次補正予算が審議された。これは経常会計の事業活動収入「繰入金収入」にカナダプロジェクトより1348万1310円を繰り入れるものである。投資活動収入は「長期借入金収入」を、出版局への貸付のために遺贈特別会計より繰り入れた2200万円と出版局からの返済分を併せて2348万円とする。また投資活動支出は前述2348万円のうち2200万円を出版局への貸付金として支出し、148万円を遺贈特別会計に資金移動する。そのほか会館3階の内装工事に関連した支出等も計上し、第3次補正予算の経常会計全体の収支は317万6000円の差損。次期繰越金は5215万1848円である。
続いて23年度決算が審議された。宇田委員長によると、予算を大幅に上回った献金収入、鶴見教会の解体費用の立て替え分の返金、前述のカナダプロジェクトからの繰入れにより事業活動収入計は2億9387万2940円となった。支出は人件費を予算比85%に抑えることができた。23年度決算の経常会計全体の収支は337万1206円の差損が生じ、次期繰越金は5195万6642円となる。
その他、23年度教団各種センター会計報告、24年度第1次補正予算等が審議された。各補正予算案、決算案は承認された。
「伝道資金運用に関する件」では25年度の教区負担金額の案、審査・交付のスケジュールが提示された。
部落解放センターの23年度決算および24年度予算について鈴木祈運営委員長が説明し、いずれも賛成多数で承認された。ただし決算については人件費が予算を大幅に上回っている点について議論になった。
出版局の23年度決算については吉岡光人理事長が報告し、3億円の売上げを目標としたものの2億6600万円余りにとどまったため2000万円を超える赤字となった。また大谷理経理課長はこのままではあと数年で債務超過となる恐れがあると述べた。これに対して「この状況で賞与を出すのは不適切」、「給与体系を見直すしかない」等の意見が出たほか雲然俊美議長は「手を尽くしてきた結果だ。これからはダウンサイジング等新しい手を打つしかない」と述べた。
年金局の23年度決算について中川義幸理事長が説明し、掛金総額を給付額が上回る「ワニの口」の状態は変わらないが献金や資産運用益により4340万円余りを積み増し退職年金積立金は45億2759万762円。
最後に「隠退教師を支える運動」推進委員会の決算と予算を鈴木秀信推進委員長が報告し、承認された。
(米山恭平報)