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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5017号】▼ 部落解放ユースゼミナール ▼(4面)

2024年4月27日

「長崎で会おう どこでもわたし」

「長崎で会おう どこでもわたし」と題し、2024年3月12〜14日に部落解放ユースゼミナール(仮称※)を開催した。総勢16名の参加者が全国各地から会場・長崎銀屋町教会(長崎市)に集まり、二泊三日のプログラムを行った。
 基調講演とフィールドワークでは、阿南重幸さん(長崎人権研究所・副理事長)を講師に招いた。キリスト教禁制の時代に、長崎の被差別部落民が潜伏キリシタン捕縛を役目とされていたこと、そのような弾圧の手先とされた部落民にキリシタンが復讐のために夜襲し、被差別者同士の血で血を洗うような事件があったこと、しかし時代をさらに遡ると部落民もまたキリシタンであり、役目であった捕縛の任務を拒否した出来事があったことなどを伺った。また、フィールドワークでは原爆によって「消失」した部落の歴史を辿りながら、原爆投下当時とその後の様子を知った。平和公園内の平和祈念像が男神・巨人のモチーフ(固定化された性役割・力による平和)であることの問題性や、「追悼長崎原爆朝鮮人犠牲者碑」を巡り日本の戦争加害についても学んだ。
 多くの歴史を知ったプログラムであった。しかし、「知ってよかった」では済まされないものばかりであり、常に私自身が問われる思いのする数日間であった。部落差別、キリシタン差別、原爆差別、性差別、レイシズム。現在まで続く差別が多くあり、歴史が現代の私に投げかけているものは多くあると感じた。誰しもが被差別の不安にかられることなく、「どこでもわたし」と生きられるような社会を日常から作り出したい。
※「青年ゼミナール」は2022年より「ユースゼミナール(仮称)」としています。「青年」という言葉の男性中心主義性に気付かされ、よりふさわしい名称を現在模索している段階です。

(片岡希望報)

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