主が備える一歩一歩を
神戸教会派遣神学生
世界宣教委員会エキュメニカル奨学金を受けて学ぶ
金 茶云さん
韓国・蔚山のキリスト者の家庭に生まれ、中学生の頃に受洗した金茶云さんは、高校卒業後、メソジスト神学大学(MTU)に進んだ。当初は清貧であるべきという牧師像に尻込みし、経済力を得られる職に就いた上で、役員として教会を支えることを考え、医師や教師の道も模索していた。しかし、祈りの中で、多くの人が進もうとしない道で主に仕えるべきとの思いを与えられた。背後には、熱心な母の祈りもあったという。
大学院卒業後、伝道師を経て牧師となり、教会に仕える傍ら、延世大学の語学堂で日本人に韓国語を教えるボランティアに携わった。この経験から、韓国にいる日本人への宣教を担う「日本宣教教会」で仕えることになった。日本宣教の幻を与えられ、2022年9月に渡日、半年ほど日本語を学び、同志社大学大学院に入学すると共に、派遣神学生として神戸教会で仕えはじめた。
韓国での牧師としての経験にこだわらず、神学生から始めようと思ったのは、韓国での経験をもって日本で仕え、苦労している宣教師の姿を見ていて、基本的な段階から学ぶべきとの思いを与えられていたからだ。
大学では、内村鑑三と矢内原忠雄を比較し、自国を愛しつつも、キリストの愛によって偏狭な民族主義を超えて行った信仰の在り方を研究する。その学びと、母国を離れてキリストの愛を証しして行く歩みが、再び、自国中心主義が強まる時代にあって、日本と韓国の橋渡しをすることにつながると考えている。
これまでの歩みを振り返ると、改めて、自分の選択だけでは、現に在るようにはならなかったと語る金茶云さん。「人間の心は自分の道を計画する。主が一歩一歩を備えてくださる」(箴言16・9)との御言葉を受け止めている。