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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5009・10号】人ひととき(4面)

2023年11月25日

主に仕える便利屋として

高知教会員
山中 誌朗さん

 高知で生まれ育ち、高知教会の傍にある幼稚園に通った山中誌朗さん。幼稚園の行事で教会を訪れたこともあったが、教会に通うことはなかった。
 大学では、家の商売を継ぐことを願った父の勧めで商学部に入った。卒業して広告代理店で働いた後、24歳の頃に父が経営する運送会社で働きはじめ、40歳の頃に後を継いだ。50歳になった頃、石油価格の高騰により業界が厳しくなり、会社を畳むことになる。残務処理に携わる中で債務の返済に追われ、付き合いがあった人々が離れて行く悲哀も経験。同時期に父が闘病の末に召され、相続をめぐる親族とのやり取りも加わり、精神的に疲弊しきってしまう。
 この頃、相談していた法律事務所が高知教会の傍にあり、集会案内が目に留まり、45年ぶりに教会の門をたたいた。はじめての礼拝で「いつくしみ深き」が歌われ、「世の友われらを捨て去る時も…」の歌詞に涙が溢れた。以来、礼拝に通い、半年後のイースターに受洗した。その後、牧会委員会、教育委員会で奉仕し、今は長老を担っている。
 次の仕事を模索する中で介護士の資格を取り、「便利屋」を始めた。この職の元祖と言われるキリスト者の自伝を読み、その中に記されていた詩編1編が心に響いたという。それまで、仕事の中で傲慢になる時もあったことを悔い、神に仕える思いを持って取り組む姿勢を教えられた。仕事では、高齢の方からの依頼が多いが、最近では話し相手として呼ばれたのではないかと思うケースも増えている。
 信仰と共に新たな職を与えられ、主の教えを愛する人の幸いを噛みしめている山中さん。自身の歩みを振り返りつつ、「神の選びを受け入れるところから信仰は始まる。その姿勢は間違っていなかった」と語る。

 

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