イエスさまと共に
堅田教会員
松本雅代さん
松本さんは、京都市内の更生保護施設で社会福祉士・精神保健福祉士として働く。「弱い者の砦」、「貧しい者の砦」(イザヤ書25章4節)のような働きができるようにと祈りつつ務め始めた。定員20名の小さな施設で、覚せい剤で捕まった人、万引き窃盗・詐欺の人の他、殺人や放火などの罪を犯した人もいる。
職員が刑務所に出向き、面接を行った上で、施設への入所が決まる。松本さんは「面接する人皆を受け容れたくて、「『連れて帰ります』と言っては、自らを窮地に陥れている」という。「小さくされた者とどう接するのか神さまは試みておられるのではないか」との問いがあるのだそうだ。
施設では「こんな私ら」という言葉がよく使われる。松本さんは決まって「私はしぶしぶ働いているのと違うんよ。あんたたちの役に立ちたくてここに来たんよ」と答える。寮生たちは、照れ臭そうに「松本さん、変わってるなあ」と言って笑う。松本さんは、その笑みの中にイエスさまを見る気がするという。
自己肯定感の低い寮生たちに、「私の目にはあなたは高価で尊い」と伝えられたら、「イエスさまが愛してくださっている」と伝えられたらどんなに良いかと思いながら働く松本さんだが、自らの弱さを覚える時、トイレに駆け込んで祈ることもあるという。祈る中で不思議と良いアイデアが与えられる。イエスさまが一緒に成してくださっていることを受け止めている。
「地位も名誉もお金もなく、人に寄り添うことしかできないと思っていた。イエスさまから頂いたものだけが手元にあり、それを惜しまずに差し出すように言われているのだ」と語る松本さん。イエスさまと共にあることを覚えつつ、仕えて行きたいと語る。