「小さな声をききとり、ネットワークでつながろう」
8月16〜18日、「いのち・平和・人権〜小さな声をききとり、ネットワークでつながろう」をテーマに第33回全国キリスト教学校人権教育セミナーが東京で開催され、約70名が参加した(オンライン含む)。
1990年にNCCのよびかけで「解放教育交流集会」として始まり、その後カトリックを含む超教派の「全国キリスト教学校人権教育研究協議会」によるセミナーに発展してきた。当初から教団部落解放センターが関わり、現在では教団在日韓国・朝鮮人連帯特設委員会も賛同団体に加わっている。
今回、一日目には5つのコースのフィールドワークが設定された。筆者は「高麗博物館/文化センターアリラン」の見学に参加したが、関東大震災百年を期に当時の朝鮮人虐殺事件に関する展示がなされていて、次々に来館者が訪れていた。
二日目、青山学院短期大学礼拝堂で全体プログラムが行われた。実行委員長の佐原光児氏の基調報告に続き、会津放射能情報センターの片岡輝美氏による講演「私のあとに続くいのちのために〜福島からのメッセージ」が行われ、教育現場を利用して原子力政策が推進されている実態が指摘された。工藤万里江氏による聖書研究「武器か防具か、それとも?−クィア神学と聖書」は創世記19章をとりあげて「聖書への向き合い方」を問うた。
全国キリスト教学校人権教育研究協議会総会も行われ、「道徳の『教科化』に対する反対意見」「朝鮮高校と幼稚園を『無償化』対象とするよう求める要請書」などが採択された。また長く同協議会の会長を務めた故関田寛雄牧師を偲ぶ集いが行われた。
三日目には日本キリスト教会館に移り、8つの分科会(うち3つはオンライン)での学びの後、べリス・メルセス宣教修道女会の弘田しずえ氏による派遣礼拝で三日間のプログラムを終えた。
セミナーの内容については同協議会のサイトにも掲載されている。充実したプログラムの陰の労苦に感謝したい。
(久世そらち報)