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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4992号】統計から見る教団(2面)

2023年3月4日

2021年度 教勢報告(B表)財政報告(C表)から見えてくるコロナ禍の影響

 新型コロナウイルス感染症の拡大が始まってから、4年目を迎えているが、キリスト教界を取り巻く状況の厳しさは続いている。昨年度はコロナ禍初年度であった2020年度と前年度(2019年度)との統計から見た教団の諸教会伝道所における教勢と財務状況について比較検討してみた。そこで明らかとなったことは、礼拝出席者の減少とそれに伴う財務状況の悪化であったが、特別献金が増えるなど、コロナ禍の中にあっても、教会伝道所を支えようとする思いと祈りとがみられた。
 コロナ禍2年目に入り、更に諸教会伝道所がどのような状況であったのか、前年度に続いて、統計データを基に考察を試みた。

1現住陪餐会員について
 21年度は7万3548名であった。20年度は7万5087名、19年度は7万7288名と、コロナ禍以前からの減少傾向は依然として続いている。2年間で3740名の減少である。単純計算すると、一年に1870名も現住陪餐会員が減少していることになる。もう少し遡って計算してみないとはっきりとしたことは言えないが、減少傾向に歯止めがかかっていないことは間違いない。

2礼拝・祈祷会出席者数(平均)
 昨年度同様、減少しているのは、礼拝出席者数であるが、21年度は3万6211名と20年度の3万6973名に比べてやや下げ止まった感がある。コロナ禍1年目は、集まって、礼拝や集会をすること自体を控えねばならなかった状況があったが、2年目に入って、感染症対策をしながら、徐々に、礼拝をはじめとした“集い”が戻りつつあることを窺わせる。
 祈祷会は、昨年度とほぼ変わらず6791名であった。こういう状況であるからこそ、祈りをささげることに、教会伝道所は熱心であることが分かる。
 B表の記載欄には、引き続きオンライン礼拝欄を設けているが、各個教会の判断で記入してもらっているので、オンライン礼拝の正確なデータとはいえない。しかしながら、何らかの仕方で、オンラインを取り入れつつ礼拝を実施している教会伝道所数が増加している傾向はみてとれる。20年度は5799件、21年度は6185件。

3教会学校(平均出席者数、在籍者数)
 21年度は8062名と20年度の8234名より減少しているものの、主日礼拝の出席数と同じく下げ止まったように思われる。在籍数も21年度1万8861名と20年度1万9981名からは1000名ほど減っているものの、コロナ禍2年目になり、再開しているところも少しずつ出てきている。コロナ禍前には1万名(平均出席者数)あったことからすれば、著しく減少しているが、少しずつでも回復することを願うしかない。

4受洗者数
 19年度は902名、20年度は747名、そして、21年度は603名と最も深刻なのは受洗者数である。回復はまったく見られない。むしろ、下がり続けている。いろいろな意味で、教会伝道所の伝道の活動が進んでいないことが如実に表れている。昨年度同様、求道者が与えられ難い状況は続いており、受洗への積極的な働きかけも出来ない状況にあることは否めない。この辺りに、オンラインを用いた礼拝や集会の限界がみられる。

5教会伝道所数
 19年度1675、20年度1666、21年度1660と、次第に減りつつある。この2年間で廃止した伝道所や解散した教会も幾つかあったが、もう一つの傾向としては、合併する教会伝道所が多くみられるようになったことである。結果、数字的には減少として示される。今後も、この現象は、コロナ禍に関わらず続くものと思われる。

6逝去者数
 B表に記入欄を設けているが、逝去者数だけを個別に統計することは今年度もしていない。しかし、コロナ禍前から始まった傾向である「受洗者数が逝去者数に追いついていない」のは確かである。

7献金
 収入は19年度経常収入103億9941万円、20年度経常収入100億8916万円と比較すると、21年度は102億3361万7000円となり、コロナ禍前にやや戻りつつある。個別の項目でみると、19年度礼拝献金は19億1144万3000円、20年度礼拝献金は16億1527万4000円、21年度礼拝献金は16億1912万4000円とほぼ横ばいであるが、19年度月定献金は53億4126万4000円、20年度月定献金は52億1337万1000円と比較すると、21年度の月定献金は50億8861万円と50億を切る寸前であった。月定献金は教会伝道所を維持する中心の献金であるが、それが減少し始めているということは、コロナ禍も2年目、3年目に入り、教会伝道所の信徒も流石に息切れして来たのであろうか。
 これに対して、21年度の特別献金は32億4747万9000円と19年度の28億4842万円、20年度の29億2880万1000円に比べても大幅に増加している。月定献金は減少し、特別献金が増額した明確な原因は明らかではないが、比較的多額な月定献金をささげていた世代が天に召されつつある中、それを補うかのように、特別献金がささげられている、という推測も成り立つ。
 支出は19年度経常支出80億3176万4000円、20年度経常支出75億3238万6000円に比べると、21年度は75億5709万5000円と漸減している。但し、21年度伝道費は、3億3601万5000円と、19年度4億4138万2000円ほどではないが、20年度3億3199万円よりは微増しており、伝道活動が鈍ったとは言えない。経常支出漸減の原因は牧師謝儀の減少と思われる。19年度52億2168万1000円、20年度50億7149万7000円に較べても21年度は50億6507万4000円と減少傾向にある。教会伝道所は、牧師を支えるために、力を尽くし続けているが、コロナ禍前より表れていた「牧師を支えるだけで精一杯の状況」に、コロナ禍が拍車をかけていることは間違いない。このままコロナ禍に収束が見られないならば、より一層、深刻な事態に向かってゆくであろう。

8今後の課題
 コロナ禍の状況が続く限り、教会伝道所の厳しさは増すことはあっても収まることはないであろう。キリスト教会に限らず、宗教行為の本質である「集まる」(エクレシア)ということが制限を受けている間は、伝道活動も滞らざるを得ない。オンライン礼拝やオンラインによる集会の工夫は続けられるであろうが、それらが、これまでの教会伝道所の活動を、財政面も含めて補い得るのか。コロナ禍3年目を間もなく終えようとしている今、益々問われ始めている。共に祈って、打開策を見出したい。

日本基督教団事務局
総務部 道家紀一

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