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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4987号】教区議長コラム(3面)

2022年12月10日

共に働くために

東北教区
髙橋真人

「共働」、この言葉は一般的な変換候補では出てこない。しかし、東北教区ではさまざまな働きや名称の中で用いられている言葉であり、東北教区のキーワードの一つと言ってもよいだろう。
 端緒は1973年の第28回東北教区総会まで遡る。この時に策定した宣教基本方針の主題「共に働く教会」は、この後、2003年度まで実に30年間にわたって用い続けられることになる。ある人は「共に働くことがなかなか実現できないから、ずっと言い続けなければならなかったんじゃないの」と冗談交じりに皮肉る。それも一つの事実なのかもしれない。でも、その実質化をめざし、実現を求め続けて重ねてきた歩みが、いまの東北教区を形づくっているのも事実である。
 2004年度からの10年は「共に福音を宣べ伝えよう」の主題のもと、「共有・共助・共働」の三本柱を軸に教区活動を展開してきた。しかし、東日本大震災の発生によりそれまでの基本方針を終結し、震災のただ中で新たな長期宣教基本方針を策定した。ここでも「共生・共働・派遣」という大切な柱のひとつとして継承されてきた。
 2004年度の教区機構改革により、教区互助の会計は「宣教共働会計」と名づけられ、それを執行する「宣教共働委員会」は各地区総会議長が構成員となり、7つの地区の現状を共有しながら支えあい、歩んでいる。その営みは、東日本大震災や近年立て続けに起こる大きな地震に揺さぶられても変わることはない。
 教団の基本となるものの言葉を借りて、それを変換して東北教区を言い表すとすれば、「共苦」のために「共献」「共喜」を大切に歩んでいる。小さな群れの多い東北教区だからこそ、一つひとつの存在を大事にして共働していきたいのである。

(東北教区議長)

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