主イエスの言葉に従い、差別からの解放を願って
6月14〜15日、6回目となる「部落解放全国活動者会議」がオンラインにて開催された。同会議は各教区や教会でなされる部落解放の取り組みを分かち合い、各地の取り組みがより豊かになることを目的としている。
一日目はまず「カナダ合同教会のアファーミングミニストリーを学ぶ」として講演が行われた。カナダ合同教会は教派の多様性、先住民族をはじめとした民族意識の多様性の中で合同し、1988年の総会で「性的指向を問わず、キリストを信じ、キリストに従って生きようとするすべての人を、会員であることや会員になることを歓迎する」ことが宣言された。そして、セクシュアルマイノリティの方が教会から排除されない積極的な取り組みとして「アファーミングミニストリー」が行われている。信仰の立場から差別と闘うカナダ合同教会の実践を学ぶことができた。続いての講演では、日本におけるセクシュアルマイノリティ差別の実際が発題された。実際に痛みを感じた多くの方が登壇し、自らの経験を共有してくださった。発題を通して、分け隔てのない神の愛を説く教会・伝道所であっても、差別の温床となる現実を突きつけられた。さらに実行委員においても、これまでの性差別やLGBT差別への取り組みの歴史を受け止めていないという課題があった。
二日目は、これまでセンターに協力くださった4人の方より、発題がされた。多くの人が集う解放への取り組みは第一に差別への闘争を目的としているが、活動を振り返ると当然反省すべき点もある。これまでの活動を振り返り、これからについて協議することができた。
水平社宣言が採択されて、来年で100年を迎えようとしている。「人間に光あれ」との宣言は、差別が多くある今日の社会でも変わらず意味を持ち、この社会にたつ私たちの教会・伝道所も、差別の温床となりうることを忘れてはいけない。主イエス・キリストの言葉に従い、差別からの解放を願って闘いは続くことが確認された二日間であった。
(桝田翔希報)