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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4946・47号】豪雪災害報告

2021年3月27日

覚悟をはるかに超える積雪

【北海教区】

雪や寒さと共に歩んできた北海道でも今シーズンは厳しさを強いられた地域がありました。

まず、その一つである岩見沢教会(佐藤幹雄牧師/3月8日)からの報告を紹介します。

「西北西の風に乗ってやってきた雪雲が、夕張岳にぶつかって雪を降らせる…それが、岩見沢周辺に雪が降る時の要因であると言われています。その西北西の風は、冬型の気圧配置の時には最も頻度高く吹きますから、もともと岩見沢は、積雪が多いことで知られています。住民もそれに慣れていて、少しぐらいの降雪では、めげたりしません。

しかし、今冬の雪は、わたしたちの『覚悟』をはるかに超えるものでした。12月中旬から降り始めた雪は、2週間を超えても降り続けました。その間、晴れや曇りの日がなかったという程度のことではありません。とにかく、ほとんど途切れることなく降り続けたのです。普通は、雪があがったら除雪作業ということになりますが、晴れ間がないのでひどい雪の中での辛い作業となります。それでも、始末できる雪の量が、降り続ける雪の量に追いつきません。それも一日二日のことであれば、何とかなるでしょうが、2週間に及ぶと、まったく手に負えなくなります。融雪槽はわずかな面積の雪を投入しただけですぐに満杯になり、除雪機で雪を飛ばそうにも、作業できる雪の深さをはるかに超えてしまっています。

結局、今までに2回、雪を運び出してもらう作業を依頼しましたが、その排雪した雪は、あわせてダンプカーで59台に達しました。また、明日も3回目の排雪を予定しています」。

この他にも、元浦河教会では12月28日夜から29日にかけて起きた猛烈な暴風雪によって屋根の煙突が飛ぶ被害が発生し、屋根補修工事やストーブ交換工事を強いられました。また、やむを得ず除雪機を購入する教会、凍結による水道管の破裂等に見舞われた教会もあり、あらためて冬の厳しさを思い知らされています。

もちろん、北海道は広大ですから、地域によって降雪量や気温にも大きな差はあります。その中で財政的に厳しくても降雪量が年間数十万円をかけて排雪を業者に依頼せざるを得ない教会や「果たしていつまで排雪のお金を支払うことができるだろうか」との切実な思いを持つ教会もあります。だからこそ、今回の教団雪害支援金には励まされました。ぜひ、今後も雪害や除排雪に対する支援を毎年継続していただきたいです。わたしたちも各地で起きる災害に心を寄せる一人一人一人でありたいと願います。(小西陽祐報)


圧雪の処理に四苦八苦

【奥羽教区】 

秋田県南は豪雪地帯。日本海からの水蒸気が奥羽山脈にぶつかり、麓にしんしんと雪となって降り積もるからです。うちの子はいくら気温が下がっても、白くならなければ「冬ではない」と言い張ります。

11月か12月のある朝、前日までと違う静かで明るい朝が訪れます。一晩で地表も屋根も一面が雪に覆われます。初冬の弱い日差しも銀世界に乱反射して、空中が明るくなります。また雑音が雪の層に吸収されるので、三好達治の詩「雪」にある静寂さがさもありなんと実感できます。

ゲリラ豪雨のようなドカ雪が一回あっても、屁でもありません。行政は十分な数の除雪車をたちどころに出動させますし、地元民も車の運転にしても必要物資の調達にしても、慣れています。風景の中にどれほど雪が見えていても全然関係なく、道路が黒ければ「雪はない」と言います。当地にしてみれば記録的な小雪の冬でも、他地域から来た方々の大半は「こんなにたくさんの雪、見たことがない」と口にします。しかし毎年、均等に降るわけではありません。

牧師であるわたしもクリスマス前から、昨年は屋根に上っていました。積雪量が多い冬は、そんなものです。1月に入ってどれほど連続して降るかで、大変さの度合いが違ってきます。道路も除雪は問題ないのですが、雪の日が続くと排雪が追いつかず、車道も歩道も狭くなり、安全に差し障りが出ます。また各家庭においても雪を寄せるところがなく、頭を抱えます。重機が発達した分、かつてのように完全に家や道路が埋まることはないにしても、敷地前に置いていかれた重い圧雪の処理に、過疎高齢化の地域の人々は四苦八苦するのです。結果として高さ数メートルの雪壁ができ、それが報道されることもありますが、それまでの数週間ずっと当たり前の生活が脅かされて、体力的にもそして精神的にも追いつめられるのがこの地域の雪害の実態です。

ですが、まさに全国的な豪雪報道によって、教団から支援金を奥羽教区にもいただきましたことを感謝しています。この冬影響が大きかった秋田県南の4教会(大曲、横手、秋南、湯沢)に分配しました。雪おろしはもとより、教会敷地内からの排雪も業者に頼めば一回で優に10万円を超える支出になります。会堂共済の援助も活用しますが、豪雪の年には二、三回頼まざるを得ません。教会会計がひっ迫するので、毎年「雪が少ないように」との祈りが欠かせません。また新たな除雪機購入費用と、車庫修理のためにも用いました。(飯田敏勝報)


上越地方、高田教会に大きな被害

【関東教区】

近年、自然災害が局地的に集中する形で被害をもたらしています。この冬の大雪も一か所に集中して雪が降り続き、大きな被害をもたらしています。

関東教区には新潟県中越地方があり、毎年大雪に見舞われています。今冬も同様でしたが、それ以上に深刻な被害を新潟県上越地方にもたらしました。上越地方も毎年雪が降るのですが、今冬は尋常ではない降り方で、市街地では雪が道路わきにおよそ2m降り積もっていました。

そんな中で、この度、上越市にある日本基督教団高田教会が大きな被害を受けました。それは、2021年1月19日の夜中に発生した被害で、その被害の状況を高田教会の成田顕靖牧師がフェイスブックでこのように書いていらっしゃいました。「1時10分頃に屋根雪が、雪の重みに耐え切れず雪止めを外して落ち、落雪が教会牧師館を直撃し、窓と壁をぶち抜く事態が発生しました。人的被害はありません。落雪が牧師館に当たった時、2階居室の引き戸が衝撃で外れました。想定外の被害に仰天しています。なお、光通信・IP電話モデムも吹っ飛ばされて屋内通信線が外れているため、教会の電話・ファクス・インターネットは不通となっています」。

牧師館の被害のあった箇所は、夜が明けてすぐに業者の方が入って応急の処置をしてくださいました。また、翌日1月20日には、新潟地区より6名と群馬地区より2名のボランティアがかけつけてくださり、私も含めて9名と成田牧師やご近所の方が加わって雪かきをしました。降雪量が多く作業は一日では終わらないほどでしたし、屋根の上にも多くの雪が残りました。教会は一般の住宅と比べて屋根面積が広いので、屋根の積雪が建物全体に及ぼす影響が心配されます。このため屋根の除雪を業者に依頼し、1月末になんとか除雪に一区切りをつけました。しかし、度重なる積雪で、礼拝堂の大屋根の雪止めが外れるなどの被害も続けて起きています。

なお、雪国では冬は建物の工事はできません。復旧は春を待って行うことになります。どの位の復旧工事費になるのかとの心配があります。そして、それ以上に、「春を待たなければならない」というしんどさが大きいのです。生活面での不便もありますが、精神的な辛さ、我慢を強いられる辛さがあることを知っていただきたいと思います。ですから、どうか高田教会のために、信徒の皆さんと成田牧師ご夫妻のためにお祈りをお願いいたします。祈りに支えられる中で、春を迎えたいと願っています。(飯塚拓也報)

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