札幌北部教会の年間予算は約 一千万円。うち牧師に関わる支出が8割を超える。招聘時の「謝儀は北海教区謝儀基準による」との条件を忠実に履行しているからだ。教区負担金は多い年は百万円を超えるが、支えあう当然の負担と受けとめ議論になることはない。経常会計に余裕は全くなく実質赤字決算が続いているが、経常外の会堂献金や対外献金(教区活動資金や他教会支援、災害支援など)にも年間百数十万円が献げられる。
現住陪餐会員は50名ほどだが夫婦の会員が多いので「財布」の数は40を切る。半数以上が年金収入のみの高齢者で、とくに富裕な会員もいない。
何年か前、北海教区のデータを分析してみた。当時、教区内の教会は「50名以上」「40名以下」の二群に分かれ、一人あたりの負担額は明らかに後者のほうが大きかった。札幌北部教会は50名以上だが負担額は小規模教会なみ。「最大の小規模教会だ」と一同胸を張った。
今年、コロナ禍で数週間礼拝に集まれず献金収入が途絶えて会計担当者は頭を抱えた。しかし礼拝出席を再開した日に90万円以上が献げられた。集まれない間それぞれ毎週の献金を取り分けておき、再び集まった時に感謝をもって献げたのだ。神の家族としての教会への愛と、開拓伝道以来の「この教会を私たちが担う」という信仰の気概の現われだった。
(教団総会副議長 久世そらち)