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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4934・35号】伝道報告 広島キリスト教社会館

2020年9月26日

神の平和を実現するため

西中国教区・広島キリスト教社会館 主事/広島牛田教会牧師 西嶋 佳弘

当館は戦前に米国宣教師たちの活動により開始された隣保事業(セツルメント)に端を発し、1956年に米国メソジスト教会婦人部の支援を得て建設されました。部落差別からの解放と地域住民への支援を目的に、保育所や学童保育の事業を始めました。その後、「社会福祉法人西中国キリスト教社会事業団」が設立され、『戦責告白』の証しの一つとして建設された被爆孤老のための特養「清鈴園」と共に歩んで来ました。また当初は、館内に福島町伝道所(現広島福島町教会)も併設され、地域の宣教を担ってきました。

今日では、従来の食肉加工や皮革産業を中心とした地域も、工場等の移転・整備や廃業などでさま変わりしていますが、依然として部落差別や民族差別は根深く存在し続けています。

現在は、子どもに関しては保育所、学童保育、子ども食堂と学習支援。介護事業はデイサービス(共生型)、訪問介護、居宅介護支援、自主事業の認知症カフェを運営しています。子どもに関する事業は、格差社会の中での保護者の経済的厳しさを知らされることが多くあります。特に在日・多国籍や一人親家庭という環境を背景に、発達障がいや言葉、文化的な不適応についての課題があります。保育士・指導員は、それぞれの家庭の事情に配慮しながら、きめ細かい対応で子どもたちの成長を支えています。高齢者は、被爆者と朝鮮半島出身者の割合が高く、部落差別を受けてきた方々もあります。最近は中国帰国者とその家族の利用者も増えおり、中国語の堪能なスタッフも置くなどして対応し、喜ばれています。

さらに心身に障がいのある方を受け入れる「共生型」も開始しました。それぞれが経験してきた人生の重さやいたみを感じながら、その生活文化を理解し、配慮と支援を行っています。ここに集う誰もが、一人の人として神の前に大切にされることを心がけています。こうした小規模の介護事業は、経済的には厳しさがありますが、この地域にはなくてはならぬはたらきとして、使命を感じながら運営しています。

こうした活動を、地域の教会や教区が「教区宣教基本方針」のうちに覚え、様々な形で支えています。また在日大韓基督教会広島教会による食事協力や、広島女学院中高生による被爆体験の聞き取りと記録なども行われています。地域の人々からはボランティアや食材などの提供、バザーへの協力などをいただき、キリスト教の施設として信頼を受けており、「心のよりどころ」となっています。

教会・信徒にとっては、こうした社会館の活動に関わることを通して、わたしたちの社会を支配しているこの世的なもろもろの力に気づき、「いと小さき者」とされている人々の現状を理解し、神の平和を実現していくために何をなすべきかを知る機会とすることができます。具体的な活動については、クリスマスに発行の『社会館だより』を読んでくだされば幸いです。祈りお支えください。

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