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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4926・27号】メッセージ この上ない喜び 石橋秀雄

2020年5月30日

この上ない喜び

ヤコブの手紙1章2節

石橋秀雄(越谷教会牧師)

試練の中で

3月に入り、新型コロナウイルスの感染の影響で学校が休校になり、休園する幼稚園が増える中で、越谷幼稚園は通常の保育を決意した。幼児に安全な除菌剤と専用の空中霧化器を用意、除菌と換気と手洗いの徹底を図るなど感染予防対策をし、卒業式まで予定通りの保育と卒業期の行事を行った。新型コロナウイルスに関して「正しく恐れる」ことが大切と報道されていた。

越谷幼稚園の父母の会の活動は活発だ。謝恩会も1月から準備をしていた。その中心に、子育てに専念する小児科医である母親がいた。謝恩会の準備で殆ど毎日幼稚園に来てくれていたことが心強かった。その夫も小児科医で、二人の医師の助言を受けながら保育をした。

謝恩会も感染予防対策をした上で実施することにした。

恐れが膨らんで

3月15日、主日の午後、謝恩会が開催された。

その前日、越谷に新型コロナウイルスの感染者が出てしまった。そのために「越谷のA幼稚園は月曜日から休園」との情報が入った。

「正しく恐れる」と正しさを探り、これで良いと確信しての通常保育をしてきたが、「恐れ」の思いが膨らんでいった。

この私に3月15日の礼拝の御言葉が大きな慰めとなり希望となった。「わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい」(ヤコブの手紙1章2節)。

「恐れの思い」が膨らんでいた時、この御言葉が慰めと希望の御言葉として心に響いた。ローマ書の学びを終え、ヤコブ書の学びを始めた最初の礼拝の御言葉だ。

ヤコブ書の中心主題は「信仰と行い」の問題だ。「御言葉を信じて生きるものであるか」、「御言葉を行うものであるか」が問われ、御言葉を信じて生きる、試練の中で御言葉を行うことによって、救いの完成へと導かれ、御言葉の力を知らされ、試練の中で、喜びで満たされることをヤコブ書の学びで教えられ続けている。

4月に入り、緊急事態宣言がなされると知らされていたが、予定通り幼稚園の入園式は形を変えても行い、通常保育をなす準備を進めていた。

ただちに休園・自宅礼拝

日本基督教団の信徒で製薬会社を経営する医療従事者からの提言が私に送信されてきた。この提言8項目の内以下2点の重大さを認識した。

⑴防疫の基本は、「自分は感染していない」ではなく、「自分は感染者であり他者に感染させない」姿勢で臨むこと。

⑵不顕性感染がすでに蔓延している。

この提言を受け、ただちに幼稚園の休園と自宅礼拝を決めた。

不顕性感染が蔓延している。自覚なしに他者に感染させているかもしれない。教会員の中に、保育者の中に不顕性感染者がいないと否定できない。

礼拝者にとって教会で礼拝ができないことは大きな痛手だ。

「防疫の基本」は「自分は感染者であって他者に感染させない」との言葉は重い。「他者に感染させない」、「他者の命を守ることを第一にして行動する」これが防疫の基本として示された。

「自宅礼拝は他者の命を守ることを第一とする愛の業」であることを教会員に訴えた。

「信仰と行い」はヤコブ書においては一体の関係として教えられる。

日本基督教団信仰告白で「福音を正しく宣べ伝へ、バプテスマと主の晩餐との聖礼典を執り行ひ、愛の業に励みつつ」と告白されている。「礼拝から愛の業へ」と「礼拝と愛の業」が一体の関係にあることが告白されている。

「礼拝から愛の業へ」、「御言葉から愛の業へ」、礼拝と愛の業が一体となって教会の伝道を進めることが、越谷教会の課題であり、教団の教会・伝道所の課題であることを痛感させられている。

越谷教会の礼拝

越谷教会の礼拝は、説教者が司式と説教を行い、役員有志が礼拝に奉仕をし、ヒムプレイヤーを用いている。第一礼拝(7時45分)をビデオで撮影し、ただちにホームページにアップ。自宅礼拝者は主礼拝(10時40分)に合わせて教会のホームページでビデオを見ながら礼拝をささげている。

日本基督教団の対策

「新型コロナウイルス感染症に伴う注意喚起について」、教団議長・総幹事名で第三信まで出した。

第三信では「感染の危険が高まっている地域の教会・伝道所では、極力、教会に集わない方法で礼拝をささげることを講じてください」、このような訴えをせざるを得ない状況になっている。通常の礼拝ができないことから経済的に逼迫する教会が多く出ることを恐れている。

新型コロナウイルスの影響で財政が著しく逼迫した小規模教会への支援対策を考えている。

今回の新型ウイルス感染を災害と位置づけ、教団として、できれば1億円規模の資金を造成して支援ができないか、三役と実務担当者で検討している。各教区の意見を聞きながら、教区を通しての教会支援をしていきたいと願っている。

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