第14回日本基督教団部落解放全国会議㏌関東教区が10月29〜31日に大宮教会を主会場に行われた。テーマは「SAYAMAからの解放〜さらなる広がりへ〜」。全17教区より150名の出席が与えられた。
狭山事件から56年。石川一雄さんは80歳をすぎた今も無罪を訴えている。部落差別が背景にあるこの事件は、様々な新証拠の開示と科学的な鑑定によって、その無罪はますます明らかとなっている。石川さんご夫妻を迎えてのこの会議は、まずそのことを学び、再審無罪の時が一日も早く訪れることを祈り、闘う時となった。また和田献一部落解放同盟栃木県連合会執行委員長(氏家教会信徒)より部落解放運動の歴史とその表舞台でのマイノリティーについての講演を聞き、国際人権基準の視点を持って様々な人権問題に取り組んでいくことを学んだ。
二日目は部落差別問題と共に様々な人権問題を学び分かち合った。性差別を山下明子世界人権問題研究センター嘱託研究員、聖書研究を山口里子「日本フェミニスト神学・宣教センター」共同ディレクター(聖書学者)、沖縄・宮古島の基地建設を坂口聖子宮古島伝道所牧師、在日コリアンを金性済NCC総幹事。そして4つのテーマごとに分団協議し、全体会で分かち合った。一つ一つ人権問題は広がりを持ちつつ、つながっていること。キリスト者は信仰の視点を持ちつつ、国際的な人権基準に立って、連帯していくこと。その中で教会、教団、部落解放センターの必要性を共有し、さらなる広がりのために連帯していくことを祈り合った。
会議全体は賛美にあふれ、食事会は出会いと交わりの時となった。また台風と豪雨被害について報告し合い、祈る時となった。
三日目は銀座教会ホールでの派遣礼拝・狭山事件の再審を求めるキリスト者集会。日比谷公園大音楽堂での狭山市民集会に参加し、石川さんの再審無罪を祈りつつデモ行進をした。「よき日のために 歌おう共に みんなが心から 笑える日がきっとくる」。「勝利をのぞみ、勇んで進もう 大地踏みしめて ああ、その日を信じて われらは進もう」と歌いながら。(熊江秀一報)