九州教区、第61回総会は、5月2日から3日間、九州キリスト教会館に正議員242名中、開会時170名が出席して開催された。
深澤奨九州教区議長は、議長報告で「今後教区の教勢・財政はますます厳しくなって行くことが予想される。教区負担金を縮減するために、機構改正を図り、教区財政のスリム化に努める」ことに理解を求める一方で、「互助献金が初めて1、100万円を突破した」と、教区の特色である互助を中核とした祈り支え合う共同体を強調した。
この議長報告を受けて、機構改正のための教区規則改定議案が今総会の最重要議題となった。同議案は、「教区の教勢・財政に見合った機構へと縮小・改正する」として、①常置委員10名を8名とし、教師・信徒各1名減の各4名②各委員会も1、2名減③集会・催しを必要に応じて隔年開催など、島嶼部を含め10地区と広範な教区に付随する交通費の縮減が狙いとなっている。
前回総会で教師互助の改定をしており、2年越しの機構改正であることと、第1日目夜を議員研修会として意見交換に努めたため、議案審議では特に異論も出ず、規則改正に必要な3分の2を上回り、投票総数178名中、賛成174で可決承認された。
この結果、予算もスリム化し、前年予算比307万円減、前年決算比257万円減の6、361万円の2011年度予算を可決承認した。
また、福吉伝道所(北九州)、延岡東海伝道所(宮崎)、出水・水俣伝道所(鹿児島)の3伝道所の廃止を承認した。
2日目の教団問安使・内藤留幸総幹事挨拶では、九州教区セクシュアル・ハラスメント問題、北村慈郎教師問題で質問が相次いだが、内藤総幹事は、「決議機関が決めたことを執行機関がコメントすることは差し控えたい。北村問題は北村氏側が東京地裁への仮処分申立を取り下げたことにより終息したと認識している」と答えた。
また、「沖縄教区からの問いかけに応えていない」との意見に対し、「本年1月、石橋秀雄議長が藤盛勇紀総務幹事と共に電話をした上で沖縄を訪問したが、だれも会ってくれなかったのは残念だった。5月の教区総会にも石橋議長が問安使として行くことを表明しており、突破口となることを期待している」と語った。
3役選挙では、深澤奨議長(佐世保)、梅崎浩二副議長(大牟田正山町)が再選され、書記には松崎豊氏(福岡弥生)の選出が承認された。また、今総会から総会選出とした伝道センター委員長選挙では、青山実氏(徳之島)が選出された。
常置委員会提案の「北村教師の免職確定に対する非難決議」議案では賛否両論相次いだが、投票総数160中賛成120で可決された。
また、東日本大震災で疲弊した被災教会牧師・信徒の九州への受け入れ、交替説教者の派遣などの「東日本大震災への取り組みに関する件」。①原発の新規・増設計画の白紙撤廃②既存原子炉の停止と廃炉③自然エネルギー発電の開発・推進などの「原発問題に対する教区声明」。「2種教職制の廃止に向け教区が検討して行く」の3建議をいずれも賛成多数で承認した。
常置委員選挙結果
【教職】西畑望(大分)、東島勇気(門司大里)、本多香織(直方)、日下部遣志(川内)。
【信徒】今村泰子(長崎銀屋町)、東隆義(田川)、松山萠子(武蔵ケ丘)、島田晋(大分東)。
(永井清陽報)