統一協会問題キリスト教連絡会は2月21日(月)から26日(土)の日程でヴァチカンを訪問し統一協会をはじめカルト諸集団に関する諸問題について情報交換・意見交換を行ってきました。
参加者は全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士を含む12名でした。内訳はカトリック中央協議会、日本バプテスト連盟、日本聖公会から各1名、日本基督教団統一原理問題全国連絡会から代表世話人の小出望牧師(36総会期宣教委員長)、岩崎隆牧師(元宣教委員長、現神奈川教区議長)、吉田好里牧師(連絡会の議長役)をはじめとする8名です。
ローマ・カトリック教会を代表するヴァチカンとの協議実現は4年前からの懸案でしたが、このたび、キリスト教一致推進評議会(局長・ブライアン・ファレルAbitine司教他1名)、諸宗教対話評議会(次長・アンドリュー・タンヤーアナン・ヴィサヌ神父他1名)、ヴァチカン市国行政庁長官ジョバンニ・ラヨーロ枢機卿をお訪ねして、それぞれ長時間にわたって協議を行うことができました。
言うまでもないことですが、ヴァチカンは統一協会をキリスト教とは認めておらず、宗教として対話の対象ともしていません。モルモン教やエホバの証人も同様とのことでした。そのことを確認した上で、宗教は人々に幸せを与えるけれども、時として人々に不幸をもたらしているのは残念であり、ことに統一協会をはじめカルト諸集団について心を痛めていること、また、ヨーロッパで問題が大きくなっているシントロジア(サイエントロジー)を含めて、洗脳や人格破壊などの諸問題について、互いに理解を共有し、有益な情報交換・意見交換をなすことがきました。
ヴァチカン側からは、日本における連絡会の取り組みを支持し評価する旨の表明があり、さらに教育、福音宣教の重要性について問題提起がなされ、カルトやセクト問題への対処について協議する世界的な会議の実現を目指しているとの意向が示されました。
また、我々の訪問の1ヶ月前には韓国からも諸宗教のグループが訪れ、統一協会の問題についても話し合われたようです。宗教の本来的なあり方について啓発するための取り組みが求められています。
今回の訪問に際し、日本カトリック協議会の久志利津男神父が労をとってくださり、ヴァチカンの関係諸機関は我々を歓迎してくださって、ローマ教皇謁見にも臨席することができました。また、ヴァチカンで30年に及んで仕事をしておられる和田誠神父が通訳をはじめ、種々の便宜をはかってくださったことでした。感謝にたえません。
(張田眞報)