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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4718号】荒野の声

2011年3月5日

 

▼学校新聞を編集発行する高校生男女は、ふとしたことから、郷土史の暗部とも言うべき出来事を調べ、探り出す。それは、物語の全編を通じて繰り返し現れるブレイクハートヒルの地名の由来。奴隷売買を含む市を盛り上げるために、黒人奴隷が出場する徒競走が行われた。丘の頂上に最初に駆け上がった者、一人だけに賞品が授与される。奴隷は二人三脚のように、二人ずつ足が繋がれているにもかかわらずだ。ルールはない。どんなに汚い手で競争相手を退けてもかまわない。賞品は自由。しかも当人ではなく、彼の末子の自由。▼奴隷たちは、子どもの自由と未来という崇高な目的のために、己の命も名誉も信仰も魂も、全てを犠牲として戦う。美しい目的のために、我が身を汚辱に染める。▼トマス.H.クックの『夏草の記憶...文春文庫』に描かれる一つのエピソードに過ぎないが、これが物語の全体の基調となっている。原題は、Breakheart Hill。▼感想も批評も言わない。ただ、身につまされる。▼「心の飢えは人の定めであり、人はそのむごい苦しみを、信じることで癒すのだ...同じ著者の『緋色の記憶』、文春文庫」。これも、感想も批評も言わない。▼私たちの教会のむごい苦しみは、どこに向かうのだろうか。信仰が、この苦しみを癒すのだろうか。

 

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