にじのいえ信愛荘に新装成ったB棟献堂式が9月27日、東京・青梅のにじのいえ信愛荘多目的ホールで、東京・西東京教区、全国教会婦人会連合の関係者など90人が出席して行われた。
献堂式は、午前11時から荘長の久山庫平牧師司式により始まり、「神が備えられた転機」と題して説教に立った内藤留幸教団総幹事は、「新しい歩みを始めるこの時に臨んで、感慨無量なものがある。先輩たちは、数十年、かなりの困難に耐えながら、祈りを合わせ協力してよい働きを積み重ねて来た。時代の趨勢の変化、高齢化などを考慮し、二つの教職隠退ホームを合併しようという決定は、素晴らしい決断だった。
創世記28章は、ヤコブが大きな転機にベテル(神の家)を経験した御言葉だが、転機は危機であると共にチャンスでもある。にじのいえ信愛荘は、生ける主が共にいて下さる場所、ベテル(神の家)であり、『天の門』である」と力強く説教した。
新たに完工したB棟は、鉄筋コンクリート2階建、13室(うち夫婦室1)、食堂・厨房など延べ706㎡。工費1億8千956万円だが、角谷多美子運営委員長は、「にじのいえ、信愛荘がそれぞれ7千5百万円拠出し、残り5千万円の募金を昨年6月から始めたが、本年9月末すべての経費を完済した」と報告した。
続いて、長崎哲夫東京教区議長、大村栄西東京教区議長、成松三千子婦人会連合中央委員長がこもごも新棟完成の喜びとともに、これまでの歩みを振り返り、これからの協力を誓う祝辞を述べた。にじのいえ信愛荘は今後、東京教区・西東京教区・全国婦人会連合が運営母体となる。
東京・青梅の信愛荘と千葉・館山のにじのいえの合併は、06年、長崎哲夫東京教区議長が、①二つの教団隠退教職ホームが別々に運営されており、無駄がある②献金者の高齢化を考え、献金の一本化が必要③にじのいえには、活断層の恐れ、信愛荘の施設老朽化、などを勘案し、両施設の合併を呼びかけたことからスタートした。08年、東京教区総会と全国婦人会連合中央委員会が合併を承認、同年10月、常議員会が承認、施設の名が「にじのいえ信愛荘」と決まった。
献堂式終了後、出席者は施設内部を見学、引き続き第2部に移った。第2部で祝辞に立った元にじのいえ礼拝教師の高倉田鶴子牧師は、にじのいえ建設当時の労苦にふれて、「宣教空白地に隠退教職のホームをつくるのかという批判も受けたが、それが南房伝道所・教会の建設につながった」と語った。続いて、横山利江施設長が21人(男性4、女性17)の入荘者、朝岡健一事務長ら職員を紹介、盛大な拍手を浴びた。
B棟は、09年10月、工事を開始。本年5月末に完工し、6月末には、にじのいえから5人の入荘者が2日がかりで引っ越しを行った。21人の入荘者は、70歳から最高97歳、最終任地は、全国各地に広がる。
教団唯一の隠退教職・配偶者ホーム「にじのいえ信愛荘」は、清潔で快適なバリアフリーのホームとなった。これからは、ホームを支える全国諸教会の祈りと恒常的な支援が何よりも必要となる。
(永井清陽報)