第36回総会期第5回靖国・天皇制問題小委員会が、2010年9月6日(月)~7日(火)、日本キリスト教会館4階会議室で開催された。芳澤信委員による開会礼拝の後、報告・協議が行われた。
委員会1日目において、栗原清委員による発題「靖国神社について」がなされ、委員による質疑応答がなされた。靖国神社の成立史、またどのように神社の管理運営が行われているのか、祭儀は具体的にどのようなものが行われているのかなどを共に学んだ。そこではあらためて、靖国神社で祀られている「英霊/神」は、信仰の対象ではないことが確認された。信仰の対象とは、神であれ仏であれ相手に自己を託し、祈願する対象である。しかし靖国神社の場合、そこでは逆に人間が神(とされた対象)を慰め、神が怒って祟りを起こさないようにと機嫌をとるという心性が垣間見られる。それは戦争に対する後ろめたさの表れであり、責任問題にはっきりと目を向けることなく、後ろめたさを、祀って慰めて「やる」という上からの目線により誤魔化しているに過ぎないということが改めて認識された。
委員会の2日目には、西中国教区・靖国神社問題特別委員会より当小委員会宛に提出された「靖国・天皇制問題小委員会の活動に関する要望」を受けての、当小委員会のあり方の再確認が行われた。
1. 信仰告白共同体としての日本基督教団の形成に寄与する働きを目指す。
2. 1の大前提のもとに教団成立時から今日までの「教会と国家」の関係をどのように理解してきたかを検証する。
3. 1,2を踏まえて「靖国・天皇制問題」を教会の課題、信徒の課題としていくために委員会として協議しながら担う。
4. 当委員会の担っている課題と検証の成果を、社会委員会を経て教団に提言、各個教会に発信する。
5. NCC靖国神社問題委員会の働きで協力できることについては積極的に協力する。
以上の小委員会の働きをあらためて認識しつつ、次期の小委員会へと引き継いでゆくことが再確認された。次回、第6回委員会で今期の総まとめを学び行う予定である。
(沼田和也報)