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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4708号】「教会に部落解放をⅪ」のテーマで 西中国教区・部落解放現場研修会

2010年10月9日

 

残暑厳しい829~30日、恒例の西中国教区・部落解放現場研修会が、「教会に部落解放を Ⅺ」をテーマに 広島キリスト教社会館並びに呉市・山の手会館にて、参加者47名で開催された。

29日は18時から社会館にて、小郡教会・金澤正善牧師による開会礼拝に続いて、嶌本(しまもと)敏雄さんの「向き合って生きる」という講演を聴いた。嶌本さんは、近江八幡地区の出身、同市役所に勤務し、部長職を最後に退職、僧籍を得て、現在は安土町文芸の郷振興事業団事務局長の役目を担いながら、部落解放の闘いを続けており、キリスト教の青年とも交流を続けている僧侶。講演は、その嶌本さんの市役所勤務時代、主に建築畑におられて、同和対策事業を推進する中で遭遇した様々な部落差別の実態、そしてその解放運動の生々しい話を心に深く聴かせていただいた。

講演会終了後に呉に移動し、分散して宿泊。

30日は、呉市の通称「山手の谷」と呼ばれた地区の差別の歴史をスライドを見ながら学び、その後にフィールドワークを行った。

呉が海軍の軍港になると共に、海軍に納める牛豚肉のための屠場が設けられ、続いて火葬場、海軍の監獄、野犬処理場等が次々と谷間の狭い地域に建てられ、その仕事を担う人々をそこに押し込めるようにして差別して来た歴史が、実際に現地を歩く事で、より身近な事として迫ってくる。戦後の解放運動により屠場などの施設が移転し、その跡地に建てられた集合住宅群の間を縫うように急な坂道が頂上部の広大な墓地まで続く。今なお大量の「差別ビラ」が撒かれる事件が起こる呉市の根深い差別構造がこの地区に凝縮されている事を実感する。呉平安教会・小林克哉牧師による閉会礼拝を守り、解放の道筋は長いが差別は必ず終わる事を確信し、30日正午、全てのプログラムを終えた。

(金澤正善報)

教団新報
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