【4697・98号】メッセージ ゼカリヤ書4章1~14節 ペトロの手紙Ⅰ 2章1~10節

 

初めのささやかな日をさげすむな 井ノ川勝

 

瓦礫の山を目の前にして

伊勢神宮の町に、主から伝道者として遣わされて26年。ひたすら主の御言葉を語り続けてきました。しかし、時として途方に暮れることがあります。御言葉がこの町の人々に届かない。伊勢神宮と向き合って立つ教会が、主の教会として堅固に立っているのだろうか。

しかし、そこで繰り返し立ち戻り、聴く御言葉があります。「誰が初めのささやかな日をさげすむのか」。預言者ゼカリヤが語った御言葉です。

神の民イスラエルは、50年にも及ぶ異郷の地での捕囚生活から解き放たれて、喜び勇んで祖国に帰って来ました。ところが、そこでイスラエルの民が目にしたものは、崩壊の現実でした。国家も、神殿も、家もすべて崩壊し、瓦礫の山になっている。すべてが無に帰した状態の中から、どのようにして国家、神殿、家を再建したらよいのか。何よりもわが民族の信仰をどのように立て直し、信仰共同体を再建したらよいのか。イスラエルの民は瓦礫の山の前で、途方に暮れ、頭を抱え込みました。そのような只中に、主は預言者ゼカリヤを立てたのです。

 

神の家を建て直そう

ゼカリヤは何よりも、神を礼拝する家を築くことこそが、再建の第一歩と考えました。「神の家を建て直そう」。ゼカリヤの粘り強い説得により、イスラエルの民はようやく重い腰を上げます。しかし、神殿再建は思い通りには進みません。何よりも、目の前にある瓦礫の山を取り除くことから作業を始めなければなりません。取り除いても取り除いても、瓦礫の山は片付かない。作業に打ち込む手も虚しくなり、なかなか作業が捗りません。ゼカリヤもまた、遅々として進まない神殿再建に、頭を抱え込んでしまいました。

 

主が新しいことを興された

ゼカリヤは政治家ゼルバベルに語ります。「武力によらず、権力によらず、ただわが霊によって、と万軍の主は言われる」。

再建の道は武力や人間の力によってなされるものではない。ただ主の霊、主の力による。

さらにゼカリヤは語ります。「誰が初めのささやかな日をさげすむのか」。目の前に高く積まれた瓦礫の山を一つ一つ取り除く。それは大変な労力であり、果たして自分たちの作業が神殿再建へとつながるのかと疑いたくなるような無意味で、虚しい行為に見えます。「ささやかな日」。それは「取るに足りない小さな日」です。

しかし、神殿再建への第一歩は何よりも目の前の瓦礫の山に積まれた一つ一つの石を取り除けるという、誠に無意味とも思える、取るに足りない小さな第一日目から始まる。その第一日目をさげすんではならない。

そして主は既に再建のために、土台となる選び抜かれた石を用意しておられる。「ゼルバベルの手にある選び抜かれた石を見て喜び祝うべきである」。「選び抜かれた石」とは、建物の土台を固めるために敷かれた石です。主はそのような石を既に据えて下さっておられるのです。

 

初めの小さな日に献身し

「この町には伊勢神宮の神様が祀られているのだから、宮川から耶蘇を一人たりとも入れてはならない」という血書誓約が交わされた伊勢の町に、最初にイエス・キリストの福音を運んだのは、この町出身の大阪教会の女性信徒でした。「初めのささやかな日」でした。

やがて伊勢神宮の前に教会堂を建て、屋根に十字架を立てようとしましたが、町の人々はそれを許しませんでした。伝道者と信徒は軒瓦に十字架を刻み、ここに主の教会があることを証ししました。「初めのささやかな日」でした。

伊勢神宮の町でイエス・キリストの福音を伝え、主の教会を形成するために、歴代の伝道者と信徒は、自らを小さな瓦礫の石に徹し、「初めの取るに足りない小さな日」に身を献げましました。そのような献身の積み重ねにより、今日の山田教会が形成されたのです。

 

生きた石として用いられ

ゼカリヤが預言した「ゼルバベルの手にある選び抜かれた石」。王の系統を引くゼルバベルと大祭司の系統を引くヨシュア。油注がれた2人を統合する王であり祭司である選び抜かれた石。ペトロはこの石こそ、主イエス・キリストだと語ります。「主は、人々から見捨てられたのですが、神にとって選ばれた、尊い、生きた石なのです」。神が主の教会を建てるために送られた石を、私たちは不要な石だと十字架に向かって捨てました。しかし、神はその捨てられた石を甦らせ、主の教会のための生きた隅の親石として据えられました。

私たちは瓦礫の石ころに過ぎません。しかし、主はこのような瓦礫の石ころを拾い上げ、主イエス・キリストという隅の親石に組み込んで下さり、生きた石として用いて下さるのです。「あなたがた自身も生きた石として用いられ、霊的な家に造り上げられるようにしなさい。」。

(山田教会牧師)

 

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