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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4696号】2010年春季教師検定試験

2010年4月24日

補教師試験不合格判定なし

教師を立て、送り出していくために

 

2010年春季教師検定試験は、32日(火)~4日(木)、東京会場(早稲田の日本キリスト教会館)において、4階の教団会議室と6階の会議室(貸室)で行われた。

1日目は開会礼拝の後に学科試験、2日目と3日目に個人面接を行った。原則として2日目の個人面接は遠方からの受験者、3日目の個人面接は東京近郊の受験者とし、受験者の負担軽減を図った。

2日目・3日目それぞれ、個人面接に先立ち、全体会を行った。開会祈祷後、検定委員の自己紹介があり、続いて倉橋康夫委員長から、学科試験の結果を受けての講評が述べられた。

倉橋委員長は、まず、「第36総会期教師検定委員会方針」に沿って、「主の召命に応えて日本基督教団の宣教を担い、主の教会に仕える教師を送り出すために、教憲教規に基づき、教師検定規則に則って」行う試験であることを、確認の意味で述べた。その上で、このたび装い新たに発行された「教師検定試験受験の手引き」に触れつつ、教憲第9条に「本教団の教師は、神に召され正規の手続きを経て献身した者とする」とあることを指摘し、その意味について説明した。何よりも、神の召命が問われる試験であることを謙遜に受けとめた上で、求められた手続きについても誠実に応ええていくことの大切さを説き、キリストと教会に仕える伝道献身者としての心構えを示しつつ、励ましを述べた。

今回の受験者総数は68名で、内訳は補教師58名(Aコース26名、Bコース17名、Cコース15名)、正教師の再受験8名、教師転入2名であった。昨年の春季の試験に比べて、受験者総数で23名減、特に、関係神学校の大学院修士課程修了のAコース受験者の減少が顕著であった。

試験直後の5日(金)に行われた第36総会期第6回教師検定委員会での学科試験の判定によると、補教師試験受験者58名の内、合格者36名、保留者8名、継続者(主にCコース)14名で、不合格者はなかった。正教師試験では、再受験者8名の内、合格者5名、保留者1名で、不合格者2名であった。また教師転入試験は合格者1名、保留者1名となった。保留者というのは、学科試験の得点が合格点に少し足りなかった受験者で、改めてレポートが課せられ、後日提出されたレポートによって再判定を受ける者のことである。

今回、補教師試験の受験者で不合格判定を受けた者はおらず、受験者総数は少なかったが、それぞれによい準備をもって試験に臨んでいることがうかがわれた。例年、準備不足の目立つ教憲教規・宗教法人法の試験も要点を押さえた解答が多かったが、なお論述の力に弱さが見られる。特にB、Cコース受験者は過去の問題にも丁寧に当たりながら、「法」についての理解を明確にしておく必要がある。新約聖書神学・旧約聖書神学については、基本的な理解が十分でない解答が多く見られた。「受験の手引き」に紹介されている参考書の中から、少なくとも一冊、きちんと読み通して準備して欲しい。教会史・教理史は、さすがに正教師の再受験者はよく勉強している様子がうかがわれた。単なる試験のための勉強にとどまらず、きちんと教会の歴史を踏まえて、伝道・牧会にあたる姿勢を大切にして欲しい。組織神学は、普段から神学書に親しんでいるかどうかが論述に現れる。日々の精進を期待したい。

試験直後の委員会で、いくつかの課題が指摘され、話し合われた。その一つは神学校で教える内容が教師検定試験において求められている課題とずれてきているのではないかという点である。検定規則第4条の変更を機に、神学校との懇談も行われるようになった。日本基督教団の教師を立て、教会に送り出していく務めのために、さらに理解と協力を深めていきたいと願う。

減少したとはいえ、68名の受験者が与えられたことを主に感謝します。今後も、主の召しを受け、志を与えられた多くの献身者が起こされることを願います。

(東野尚志報)

 

講評

教憲の第9条に、「本教団の教師は、神に召され正規の手続きを経て献身した者とする。」とあります。神からの召命が出発点であり、基礎となります。教師検定試験受験者には、常に召命の確認が求められています。教師検定試験の受験準備に取り組む中で、その召命が明確にされ、堅くされるように、と願わされます。

今回は春季試験でしたので、補教師受験者が大多数でした。今回の試験結果は、補教師受検者に不合格者はいませんでした。教憲・教規と教会史・教理史の準備が比較的できていたと思います。しかし、正教師受験者に、2名の不合格者の出たことは残念な結果でした。

受験者に要求されていることは、神学の基本的・基礎的な知識と思考力です。日々の忙しさの中でも、日常のみ言葉の奉仕、特に聖書研究の準備、説教の準備に、手を抜かないで取り組むことが、肝腎なことと思っています。

(倉橋康夫 第36総会期委員長)

 

2010年春季・補教師検定試験問題

 

教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)

(A,B,CⅢ)

次の2題に答えてください。

1.宗教法人法の目的を条項をあげて述べてください。また、この法人法の制定意義を歴史をふまえて論じてください。

2.教会担任教師の招聘、就任、辞任、解任の手続きを教憲・教規に基づいて述べてください。

 

旧約聖書神学(60分)(B,CⅢ)

 次の2題に答えてください。

1.旧約聖書における罪の問題について述べてください。

2.旧約聖書の黙示思想について述べてください。

 

新約聖書神学(60分)(B,CⅢ)

1.次の問題に答えてください。

・共観福音書各々の共通点と独自性について述べてください。

2.次の3題のうちから、2題を選んで答えてください。

①ヨハネによる福音書の終末論について述べてください。

②パウロにおける「教会」の理解について述べてください。

③公同書簡について述べてください。

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