音楽と福音宣教と
「佐倉メサイアをうたう会」による「メサイア」演奏会が昨年5月に開催された。佐倉で同市民による「メサイア」の合唱は初めてのこと。作曲者のヘンデル没後250年も重なり画期的なコンサートとなった。
黒田尚子さんはプロのオルガン・チェンバロ奏者。夫である黒田直人牧師の佐倉教会赴任に伴い佐倉に移り住んで5年目、佐倉教会の聖歌隊の人数が他と比べて非常に多いのと、教会コンサートを行うと、いつも聴衆があふれてしまうことに驚いていたという。この経験をもとに、合唱が盛んな地域性を生かし、「佐倉メサイアをうたう会」を立ち上げ、代表を務めている。
最初は教会員有志20名でスタート、ヘンデルの「メサイア」初演が38人の合唱だったので、同じくらいで始めようと市民に呼びかけ、結果、今回は45人が集まった。中学生から年輩者まで年齢層は幅広く、半分が佐倉教会員とその家族、2割が他教会員、3割が市民という構成。教会と地域の交わりの機会としてとらえ、練習時には曲ごとに背景の聖書の説明に時間をかけ、祈りの時をもって終わるように心がけ、福音宣教の働きをも担う。ここから受洗者も与えられた。
また、地域に向けての働きかけとして、子ども聖歌隊を結成、次世代への伝道の助けとなるべく育てている。小学生により構成、月2回土曜日の練習で、花の日、子ども祝福、敬老会、クリスマスの礼拝奉仕や老人ホーム慰問の他、夏休みコンサートを開催。子どもが歌うことで、その家族、友人等、幅広く教会に足を踏み入れる機会を提供し、家族単位での教会とのつながりを与えられている。
すべてのきっかけとしての教会コンサートは、依然盛況で、地域への働きかけとして、力を注いでいる。
演奏家としての活動の他、広く全体教会での奉仕、また、牧師のパートナーとしての働きに、その賜物が用いられている。