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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4687号】荒野の声

2009年11月28日

▼猿を捕まえる方法をご存知だろうか。猿の手がギリギリ入るような口の小さい壺の中に、猿の大好きな食べ物を入れて置く、すると猿は壺に手を突っ込んで中の食べ物を掴む。当然握り拳になり、最早手を引き抜くことが出来なくなる。▼握るのを止めて拳をゆるめ食べ物を離したら、簡単に手を抜くことが出来る。しかし、猿は一端握ったものを手放すことをしないから、壺から手を引き抜くことが出来ずに、そのまま捕まってしまうのだそうだ。▼日光で猿が大暴れしている。何度もニュースで見た。しかし日光で、この方法を使って猿を捕まえたと言う話は聞かない。実際には、こんな方法で猿を捕まえることなど出来はしない。▼一度握ったものを手放すことが出来ずに、まんまと捕まってしまうのは、猿ではない。それは人間だ。一端握ったものを手放すことが出来ずに、その奴隷となってしまうのは人間だけだ。▼高い木に登って下りることが出来なくなった猫や熊の子がいるそうだ。彼らは後ずさりが出来ない。「階段の一番高い敷石の上に立ちなさい。そして飛びなさい」...『キャッツ』の原作者T・S・エリオットの詩から。▼それを持ち守り続けることで、命をも危うくするものがあるだろう。命を賭してもと覚悟するならば、握り続けるのも良いだろう。

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