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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4884号】伝道のともしび 震災を受けて-特に原発事故に向き合って

2018年6月30日

東北教区・いずみ愛泉教会牧師 布田 秀治

 震災直後5月の東北教区総会で、「東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故対応に関する件」が可決されました。それを受けて「放射能汚染問題を考える小委員会」が救援復興委員会のもと設置され、発展的に2013年東北教区総会で「東北教区放射能問題支援対策室いずみ」の設置が可決されました。その年10月から運営が始められました。今年の教区総会で2024年3月までいずみの活動を継続することが認められました。

 2011年10月に北海道で開かれた北日本三教区(北海・奥羽・東北)宣教会議において、親子保養プログラム実施が承認され、以後、いずみの活動の一つとして企画実施してきました(今夏第12回目を北海道で予定)。

 また、教区に設置された被災者支援センターエマオに教団派遣専従として佐藤真史教師が赴任されました。佐藤教師はいずみ愛泉教会副牧師として加わってくれました。そのこともあって、教会は小さいですが、さまざまな形でこれらの教区の二つの働きに積極的に加わり、課題に向き合いながら関わり続けることが許されました。そしてたくさんの方々との出会いが与えられ、感謝です。

 ところで昨秋、福島・飯舘在住の伊藤延由さんの話を教会で聞きました。伊藤さんは2010年3月に飯舘に設置された民間企業「農業研修所・いいたてふぁーむ」の管理人に就任し、順調な成果の中2年目の準備をしているところで震災・原発事故を受けました。全村避難となり、以来、土壌・空間線量、食べ物の計測を継続しており、「原発事故が飯舘村にもたらしたもの—事故から6年半の記録」と題して詳細なデータを示し、話してくれました。その一つ、飯舘村で昨年10月26日に測定した土壌セシウム137は4万4893ベクレル/kgでした。半減期30年として、300年後でも39ベクレル/kg残ります、と。

 しかし、国は昨年3月末に避難指示を解除しました。今年4月7日、34億円かけて新しく建築された小中一貫校が再開され75人の生徒が通うことになりました(村内からは8名)。避難解除は年間被ばく量が20ミリシーベルト以下になったからとされています。これは周知のように放射線管理区域の約4倍に当たります。確かに、閾値はありません。ですが、行政の「安全・安心」宣言を信じてそこに住む人の、特に子どもたちの健康被害が心配です。不安を抱えながら住まわざるを得ない人たちの自己責任とされて良いのでしょうか。  震災後、沢山の方から献金支援をしてもらいました。教団会堂共済組合から助けられ励まされました。会堂修築工事費用合計479万3750円でした。

 目に見える復興は進んでいます。しかし、心に深く傷ついた方がたくさんおり、時間がかかります。原発被害は終わることがありません。これからも変わることなく祈りに覚えていただければ幸いです。

教団新報
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