日本盲人伝道協議会の主事として期待される
金澤真実さんの歩みは、人を包み込む穏やかな話ぶりからは想像できないほどのパワーあふれるものである。まず高校生のとき、仙川教会で高校生会聖研の学びを通して導かれ受洗。神学校への献身も考えたが、結局は忠実な信徒として教会を支えるキリスト者になる召命を強く覚えたということである。
大学卒業後、東神大の図書館を経て、YWCAに勤務、ここで一教会・一教団の枠を越えた広い視野を与えられ、途上国でぜひ働きたいという思いが与えられた。そして、青年海外協力隊に参加、1990年から約2年間バングラデシュにおいて活動し、このときベンガル語の訓練も受けた。金澤さんによれば、これも神様の導きであった。
帰国後、国際NGOワールド・ビジョン・ジャパンに勤務、阪神淡路大震災の援助活動に従事する中で、関西在住の盲伝の理事の方と出会う。この方が、バングラデシュの視覚障害女性の生活自立センターに関わっておられ、1993年その開所式の通訳をしたことから、盲伝と関わることになったのである。
その後結婚、夫の学業を支えるためポーランドで青年海外協力隊の調整員として働き、さらに自身の研鑽のためにアメリカに行き、大学院で非営利組織のマネージメントについて学ぶ。
奇しき出来事の末、、乳癌が見つかり、闘病生活も経験。主の癒しをいただき、ボランティアから盲伝の主事として用いられることになった。
今後の抱負を聞くと、「盲伝は私のものではなく、会員みんなのものだと思うから、みんなの思いが実現できるようなことをしたい。ただ、まだ1年目でそれが何かはまだ掴めていないけど」ということであった。
今の課題の一つは、中途失明の方々への伝道である。さまざまな宗教から勧誘を受けた結果、宗教に不信感を抱く方々とどう人格的な出会いをもち、キリストの福音へと導くか模索は続く。