第122回神奈川教区総会が6月27日、清水ヶ丘教会で開催された。正議員222名中183名の出席で成立した。
開会礼拝は逝去教師を憶えつつ献げられ、来賓紹介や組織会等、所定の手続きが進められ、議案第一号「補教師の准允執行に関する件」が上程された。
7名の志願者が、それぞれ所信を述べ質疑を経て採決に入ったが、採決の前、神奈川教区独特の手続きがここで行われることが慣わしである。それは、志願者が受験した教師検定試験が、神奈川教区から見て不当か否かを諮るもので、議長は「このたびの教師検定試験が、神奈川教区から見て不当であるとまでは言えない、と思う方は挙手を」と求めるのである。この独特な手続きについては、受験拒否者の存在や二種教職制と検定試験に関する神奈川教区からの問題提起の歴史等が背景にあるが、そもそも教団の教師検定試験の当否を教区が問うのはおかしいといった批判や議論があった。しかし今回は議論も出ず「儀式」のように淡々と進められた。ただ、こうした無風状態がかえって問題を風化させていると捉える向きもあり、複雑である。
今総会では、とくに議論となった議事はほとんど見られなかったが、「2009年度各種委員の選任に関する件」では、「オリエンテーション委員会」では紅葉坂教会の北村慈郎氏が委員長とされていることについて、信徒議員から疑義が出された。教憲・教規を明らかに守らない者が委員長となるのはおかしいとの理由から、同委員会の選任についてのみ別に採決してほしいとして動議とされ、議論されたが、動議は少数否決となり、原案が賛成多数で可決された。
この総会は当初より時間的に余裕のあることが予想されていたため、「教団50年データ 分析と提言『グラフで見る日本基督教団』」のDVDが約1時間にわたり上映された。ここで示されたデータを深刻に受け止める人々は多いが、一方で笑いながら見る人たちがいるのも気になった。同じ教会の現実を見ながら、それに対する反応は正反対なのである。ここにも厳しい現実が見える。
(藤盛勇紀報)