新しい試みのもと、第17回千葉県信徒大会
一月十二日、西千葉教会において、東京教区千葉支区主催による第十七回千葉県信徒大会が開催された。大会が「千葉県」と銘打つのは、信徒大会の目的が謳うように、「千葉支区内諸教会の信徒が一堂に会し」て伝道地である千葉県全体を覚えるためである。
今回は、「それ行け! 伝道」との主題を掲げて、プロテスタント教会日本伝道150周年を記念する大会として開催された。山北宣久教団議長を説教者として迎えて礼拝が献げられ、その後、それぞれのプログラムが進められた。
「それ行け! 伝道」は著書名であるだけでなく、山北議長が一貫して訴えてきた伝道する教会論を象徴する合言葉でもある。説教者紹介の中で岸憲秀副支区長(千葉本町)は、「プロテスタント教会日本伝道150年について教団内に様々な理解があるのは承知しているが、大会実行委員会は150年記念の年をしっかりと受け止めた うえで、二〇〇九年、千葉支区として最初の集いを開催することとした。予てより伝道する教会・教団であることを訴え続けて、150年記念についてもいち早く発言された山北議長を説教者として迎えた」と述べた。
山北議長は、一時間にわたる説教において、集った二八一名の会衆を前に、「日本伝道がこのように目に見える仕方で現わされていることに励まされる思いである」と語りはじめて、150年記念について「問題がないことを日本聖公会にも確認した」として、この年を記念することの意義をあらためて訴えた。「伝道に支えられた 宣教の豊かさを求めることこそ必要である」とした。また「'53年には、年間、十名の信徒で一名の受洗者を産み出していたが、07年度には、イースターが二回あったが、五四名で一名の誕生。」受洗者を産み出す体力の低下が明らかであり、「羊が羊を産む」ことをも指摘しながら信徒伝道の大切さを語った。
従来、信徒大会は、講演、分団等のプログラムを主としてきたが、ここ数年、年頭、最初の支区集会として、まず礼拝を皆で献げるようにしてきた。更に、今年は次のような新しい第二部、第三部のプログラムを取り入れての大会となった。
まず第二部では、千葉支区に奉職した宣教師が紹介され、健在の元宣教師について、それぞれの想い出、近況が写真、ビデオレター等によって伝えられた。
続いて、信仰生活五〇年以上の信徒を覚えて感謝祈祷のときがはじめて設けられた。初年度ゆえ「以上」となって、大会に出席した、五〇年以上の信徒六一名が紹介され、中村征一郎支区長(東金)が感謝と祝福の祈りを献げた。
支区で奉職した宣教師、信仰五〇年以上の信徒の紹介が、これまでの150年の教会史の一コマの証しであるなら、次の二つの新しいプログラムは、150年の記念を経て、これからの教会の歴史の展望となる。
ひとつは、千葉支区では青年部が若手教職による導きを得ながら着実に活動してきた。この様子が会場に映し出された映像で丁寧に紹介された。今後の課題として、教育部との協力によって教会学校生徒との関わりを充実させてゆく希望等が述べられた。
「一堂に会し」ての昼食の後、第三部では、さらに若い世代、幼稚園児によるクリスマスページェントが献げられた。東金教会付属幼稚園の園児による七場、四〇分にわたるページェントは圧巻であった。ハンドベル、木琴演奏を交えたプロローグ、旧約聖書から新約聖書への物語に始まり、クリスマス物語を幼子たちがしっかり と伝えた。午後のプログラムはこれまで参加が少なかったが、今回は午前に引き続き、六、七割の会衆がこれに参加した。年を改めて、なお降誕節にある中で、今一度、クリスマスの贈りものをいただいた素晴らしいときであった。
西千葉教会は、JR西千葉駅のすぐ目の前にあるが、散会後、駅までの道を大会参加者と共に歩きながら、これまでの先達の伝道への感謝と、これからの伝道への展望と励まし、そして志が、参加者それぞれに新たにされていることが実感された。
(新報編集部報)