もはや信仰の一致はないのか
第36総会期第一回常議員会は、十二月九日から二日間、教団会議室で、三〇人中二九人が出席して開催された。
先例に従い、議事に入る前に、今総会期常議員会の運営についての懇談の時が持たれ、山北宣久議長は、①要求陪席は認めて行くが、一括承認でなく個別に採決する。議事を乱した時は退席して貰う。②論議は賛否交互に行い、発言は常議員を中心とし、要請陪席者の中では教区議長を優先する。③三役への集中を避けるため、常任常議員会の設置をかねてから主張して来たが賛意を得られなかった。しかるべき時に再度提案したい。④常議員全員の顔を見ながら論議を進めるため、全常議員を最前列とする席の配置換えを行いたい、との基本方針を明らかにした。
この後、教勢問題の審議、要求陪席の在り方、議事録の訂正方法、常議員会宛文書の処理法などについて意見が述べられた。
議事に入り、議事日程が承認された直後の「第36回教団総会に関する件」で白熱した論議が四〇分間展開された。
まず取り上げられたのは、時間切れ廃案処理。「廃案議案が多く、やるせない気持ちだった。議長は、沖縄教区とどのように回復しようとしているのか」「時間切れの際の対応を決めるべきではないか」「上程していないものを廃案にするのは当然で、かつて三十数議案提案した人もいた」などの意見が述べられた。
次いで、教団総会での聖餐式の乱れについて発言が相次いだ。石橋秀雄常議員は、「総会三日目の聖餐式に感動した。司式した議員が常議員にトップ当選したのを見ても、同じ思いをもった人が多かったことが分かる。総会傍聴の菅沢邦明教師が自ら聖餐まがいの行為を行い、応ずる人が出た。何らかの対応が下さるべきではない か。また、聖餐を拒否した議員がいたことに大変衝撃を受けた」と、聖餐式の乱れを鋭く指摘した。
対立し、平行線をたどったテーマではなく、個人の言動に論議が集中したのも、今回の常議員会の特徴だった。「『もはや対話の時ではない』と発言して常議員に当選した議員が、教団新報で『信仰は二分している』と所信を述べている」と名指しされた北紀吉常議員は、「対話は成り立たないことを述べたまでで、対話しないと いっている訳ではない。聖餐理解が違うことは信仰の一致がないと考えている」と答えた。
また、「教憲教規を破ってどこが悪い、と発言した女性議員がいたことに衝撃を受けた。当該教区はどう理解しているのか」との発言もあった。
山北議長はこれらの意見を踏まえて、「時間切れ廃案議案の中には、常議員提案、教区総会提案が多数含まれており、残念だった。36回総会には前回より十四議案多い議案が提案されており、単純に計算すると一議案十五分間しか取れないことになっていた。そのことは議場に報告したが、議決の無記名投票などで時間を取られ、 結局多くの議案が廃案となった。沖縄教区には、『訪問したい』との書簡を出してあるが、村椿新議長になってから何らの返答も得ていない。先の教団総会後にも、村椿嘉信議長に電話したが、『しかるべき時に三役で相談する』とのことだった。決して沖縄を忘れている訳ではない」と述べた。
(永井清陽報)