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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4659号】夏に集う若者たち 2008

2008年9月27日

夏に集う若者たち 2008

キリストと教会に仕える

38年変わらぬ主題で、全国教会青年同盟修養会

 

八月二〇日から二二日までの三日間、恵みシャレー軽井沢を会場として、全国教会青年同盟の主催による「中高生献身キャンプ」と「教会青年夏の修養会」が開催された。

一九六九年秋、全国教会青年宣教会議が教団紛争の影響を受け開催中止となってより、まもなく四〇年を経ようとしている。その中で、参加青年はもとより、紛争勃発時には生まれていなかった教職リーダーたちも含めて、聖別された恵みの時を分かち合った。

中高生キャンプも青年修養会も、「キリストと教会に仕える」との主題の下で行われた。全国教会青年同盟結成以来、変わらずに守られてきたものである。

全国教会青年同盟は、一九七〇年九月十三日、三崎町教会を会場に結成式を行い、集った百名近い全国の教会青年ならびに青年教職らによって結成された。同年七月に開催された「全国青年セミナー」(福音宣教会主催)に出席した教会青年による青年部結成の申し合わせが、青年同盟結成のきっかけとなった。

その背景には、一九六九年一〇月に開催が予定されていた全国教会青年宣教会議の中止決定(同年九月)がある。同年九月には、いわゆる「九・一、二」で知られる混乱した常任常議員会があり、教団は紛争へと突入していった。その前年、一九六八年には第15回教団総会が開催され、機構改正により青年伝道専門委員会がなくなった。こうした状況にあっても、青年伝道の必要を痛感し、熱意を持ち続けた教会青年、青年教職らの祈りと決意とが受け継がれ、青年同盟の働きを支えてきた。

青年同盟結成の目的は「聖書信仰の上にたち、多難の時代のただ中で教会青年としての責任を深く自覚し、生涯を通じて教会に仕え、福音宣教の使命のために連帯して活動を推進する」と謳われている。この目的に適う活動として、春・夏の青年修養会、献身キャンプ、セミナー等が行われてきた。また、青年伝道専門委員会の働きを継承する自覚を持って、「教会青年」と題する機関誌を発行し、その働きを諸教会と分かち合うことを続けてきた。献身キャンプは、従来高校生が対象であったが、ここ数年来、中学生をも迎え入れ、中高生キャンプとして行われている。これらの働きのために、チャプレン、リーダー、スタッフとして、多くの教職、信徒が協力してきた。

また、この働きを通して、多くの献身者を生み出し、ある者は教職として、またある者は教会役員として、「キリストと教会に仕える」使命に与っている。現在のスタッフの多くもまた、青年同盟によって育てられてきた教職、信徒である。

一九九九年には、青年同盟出身の教職を中心に、その働きを西日本で展開するというビジョンが与えられ、西日本教会青年同盟が結成され、同じ目的に適う活動を展開している。

 

旅人としての人間(アブラハム物語に聴く)

逃げようと思っても逃げられない道が

 

近年、諸活動への教会青年の参加減少が言われる中で、今回は、十六教会より、中高生五名、青年二〇名の参加が与えられ、リーダー、スタッフ、講師の教職ら十四名を合わせて、三八名で三日間を過ごした。また、十数年ぶりに、献身キャンプと青年修養会を同時開催とした。講演、分団等は別プログラムであるが、燭火礼拝、聖別会等は合同で行った。中高生にとって、教会青年との出会いと交わりは、進路や人生の目的を考える上で大いに刺激となり、逆に青年にとって中高生との出会いと交わりは、信仰について、また、教会青年として信仰継承の課題を担う自覚を与えられるなど、思わぬ形で恵みが与えられた。

中高生献身キャンプでは、小倉義明教師(聖学院院長)を講師に迎え、「旅人としての人間」というサブ主題により、創世記十二章からアブラハム物語に聴きつつ二回の講演がなされ、中高生らは引き込まれるように御言葉の学びへと導かれた。私たちを知らず知らずのうちに導く「神さまの声」がある。逃げようと思っても逃げられない道が備えられている。召命と献身について、参加者それぞれが問われていることを感じ取ることができたように思う。二回の分団では、アブラハム物語を参加者全員でスタンツにまとめ上げ、最終日の全体会にて、青年修養会の参加者の前で発表することができた。朝には、早天礼拝を守った後、軽井沢の自然の中で、参加者各自、それぞれ教職の導きにより御言葉を黙想し味わう時を持った。晩には、青年修養会と合同で交祷と賛美による燭火礼拝を守り、青年二人による証しを聞き、献身の思いを深めた。

誰とも話さずに終わるのではないか、との不安をそれぞれが抱きつつ参加したことと思うが、一日目の夜には、中高生同士のみならず、青年たちともうち解け合い、主にある交わりの豊かさを存分に味わいつつ過ごすようになっていた。参加者の内、既に受洗、信仰告白をしている者が三人、信仰者の家庭で育つ者が二人、それぞれの生活の座は違い、礼拝を守る教会は異なってはいても、一つの信仰によって生かされ、唯一のキリストに結ばれている仲間との出会いは、今後の大きな力となることだろう。

青年修養会は、竹澤知代志教師(玉川教会牧師)を講師に迎え、「イエス・キリストとの出会い」をサブ主題に、実り豊かな学びがなされ、教会青年らは大いに刺激を受け、「キリストと教会に仕える」決意を新たにした。

最終日、閉会礼拝の中で中高生キャンプと青年修養会の合同で「聖別会」がもたれた。これは、結成以来青年同盟の修養会で欠かさず守られてきたもので、参加者一同が車座になり、三日間の恵みを一人一人が語り、分かち合い、献身の思いを心に刻むため、座の中央におかれた「聖別帳」に名を記すという厳粛な時である。聖別帳には歴代の参加者の名が何冊にも渡って綴られている。この時、受洗の決意や伝道者への献身の志が語られることもある。今回参加のリーダーの中には、ここでの決心から教職となった者もいる。中高生と青年らの召命と献身、その苦闘のために祈りを合わせたい。

(林牧人報)

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