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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4869号】在外宣教師からの報告

2017年10月7日

アメリカ「キリストとの出会いを与える「種蒔き教会」として」

カリフォルニア・シカモア組合教会

 私に与えられている働きは、アメリカの地における日本語での宣教である。「外国人」として生きる海外生活者は、たとえその地の言葉を流暢に使い、その地の文化に深く溶け込める人であったとしても、やはり母国語を愛し、母国の文化に触れることができるコミュニティーを求めている。

 シカモア組合教会は、1904年の創立以後、そうした人々の心に寄り添いながら、日系移民1世や2世の人たちを中心に歩みを進めてきた。しかし、3世の時代になると、日本語を話すことのできる日系人は激減する。そこで教会は、英語部を創設し、日語部と英語部に分かれて、一つ屋根の下で共に宣教を担うようになってきた。時代の変化に対応して、教会は「日本人教会」から「日系教会」へと形を変えたのである。

 ところが、日本語を話す2世の方々が高齢化し、召される人々も多くなってくると、日本語での宣教の必要性も減少してくる。そのような中、シカモア教会の周辺にあったいくつかの日系教会は、日語部の閉鎖へと追い込まれた。この時代において日系教会が日本語での宣教を続けていくためには、再び時代の変化に対応した、新しい宣教ビジョンを見出していく必要があるのだ。

 幸い、シカモア教会が置かれている地域には、多くの日本人留学生や研究者が集う大学があり、また企業などから派遣された駐在者も多くいる。そこで教会は、教会を日本人コミュニティーの場としても広く認識してもらうために、日本の文化や日本語を大切にした様々なイベントを開催し、それを日本語の地域新聞やネット掲示板に掲載することなどを始めた。すると、それらの情報が口コミでも広がり、人が人を呼ぶような形で、一時滞在者の日本人が多く教会の扉を叩いてくれるようになってきたのだ。

 入口が、日本の文化や日本語のコミュニティーへの関心であったとしても、そこから徐々に、礼拝に繋がる人々も出てきている。彼らのほとんどが日本でキリスト教に触れたことのない人々である。そのことを考えると、「外国」という環境だからこそできる、日本人への宣教というものがあるのだということに気づかされるのだ。

 シカモア教会にとって、彼らの多くは一時的な短期滞在者であり、良き出会いが与えられてもすぐに、また別れを言わなければならないような人々である。しかし最近、その彼らが後に日本に帰国しても、なお教会に繋がり続けているという嬉しい報告を聞くようになってきた。

 私たちの教会には、日本においてキリスト教に触れることのなかった人々にキリストとの出会いを与える、「種蒔き教会」のような特別な働きが与えられているのだと思っている。

 アメリカの地で種蒔かれた福音が、やがて日本において芽を出し、実りを迎えることを願いつつ、これからも新たな出会いと別れを繰り返し、与えられた使命を果たしていく教会でありたいと思っている。 (吉岡恵生報)

 

 

ベルギー「母国語で礼拝をささげられる場所」

ブリュッセル日本語プロテスタント教会

 4月よりベルギー、ブリュッセル日本語プロテスタント教会に遣わされた。2016年3月末に、9年間仕えた長野・飯田吾妻町教会を辞して東京に拠点を移し、約1年間の渡航の準備を経て無事にベルギーに着任した。この1年で東京を中心に多くの教会を訪ね、礼拝に出席させてもらった。また説教奉仕、ベルギー宣教のアピール等の機会を与えられ、祈りと支援をお願いしてきた。いずれの教会でも温かく迎えてもらったことは、本当に感謝に堪えない。難航する準備にともすれば挫けそうになるところを、励ましの言葉をかけてくれる方々に力をもらいながら準備を進めてくることが出来た。

 海外宣教の働きは、その経済的必要のほとんどを日本で支援してくれる方々からの献金でまかなわれている。現在400名近い方たちの物心共なる支えによってベルギー宣教は進められている。これほど多くの助けが与えられているということに改めて驚き、主なる神と皆さんに心より感謝している。

 着任以降、教会はゆっくりとではあるが着実に歩みを進めている。約2年半近い専従牧師の不在、駐在員の教会メンバーは数年単位で帰国してしまうという海外教会特有の傾向、教会員の減少、役員会の不在等の現状から少しずつ前を向いて踏み出している。それに伴い、新来者が導かれたり、しばらく離れていた教会員が再び礼拝出席に導かれたりと、小さな喜びが積み重ねられている。共に母国語で礼拝をささげ、語り合うことの出来る主の日は海外に住む日本人にとって代えがたい喜びの日であることを目の当たりにしている。

 今後の課題としては、この教会に与えられている使命が何であるのか、その与えられた使命に対して一人一人がどのように仕え応えていくのかを、聖霊と御言葉の導きを通して教会全体で学んでいくことだと思っている。今一度、御言葉と聖霊による導きを強く祈り求めながら、この教会と教会に結び合わされた一人一人に与えられた神からの使命を受け止めてゆきたいと願う。また、この宣教の働きを祈りと経済的支援によって支えてくれる多くの教会と兄弟姉妹の祈りに支えられながら、神の御業がここで現わされることを信じ、主の導きに従ってゆきたい。

 最後に、私たちも含め海外に派遣されている宣教師の霊的かつ肉体的な健康のために祈ってもらいたい。祈りは単なる慰めではなく、神の力そのものである。どうぞ主にあってよろしくお願いしたい。
(川上寧、川上真咲報)

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