熊本・大分地震被災教会現況、再建報告
40総会期第2回常議員会は7月10・11両日、教団会議室で開かれ、常議員30名全員が出席した。小橋孝一常議員による開会礼拝後、議事に入り、石橋秀雄教団総会議長は、「いくつかの教区総会を問安したが、教勢の衰退傾向が気になった。今総会期中、2度教区議長会を持つので、話し合って行きたい」と述べた。佐々木美知夫副議長は、教区総会問安で、印象に残ることとして、「四国教区が、互助への取り組みに力を入れている」ことを挙げた。
冒頭、梅崎浩二九州教区議長は、九州北部豪雨被害について、「果樹栽培の朝倉(福岡)、林業の日田(大分)両地区で甚大な被害が出たが、玖珠教会(大分)の保育園に被害が出た以外は、教会、信徒宅に大きな被害は出なかった」と報告した。
総幹事報告で、道家紀一総幹事事務取扱は、文書報告以外の報告として、「主座教会(大阪教区)が3月末で、被包括関係廃止、教団から離脱するとの報告を受けた」と述べた。離脱の理由を問う質問に対し、道家総幹事事務取扱は「負担金が重く、12年間、教団に所属したが、これ以上負うことが出来ないとのことだった」と答えた。常議員会はこれを承認したが、小笠原純大阪教区議長は、「教団からの連絡で教区は驚き、三役で訪問したが、経緯を聞く形となった」と語った。主座教会は無任所教師が支えている。
また、道家総幹事事務取扱は、計良祐時財務幹事が3月末任期満了で退任し、8月、飯島信幹事が退任すると報告した。
熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援委員会報告で、被災教会を視察・問安した髙橋潤委員長、田中かおる書記が、スライドを用いながら、被災状況を説明。髙橋委員長は、「被災15教会中13教会を問安したが、建て替えが、別府不老町教会と由布院教会。由布院教会は、危険建物として、すでに解体されており、クリスマス前の建て替えを目指している」と報告した。
東日本大震災継続事業委員会報告で、佐々木美知夫委員長は、「東日本大震災募金の国内・海外合計額は、14億3737万円。支援教会は、33教会、5億7978万円に達した」と報告した。また、「3月末の貸付金残高は、2億4157万円で、各個教会の返済が滞ると、教団の負担が増大する」と注意を喚起した。
教師養成制度検討委員会報告で、菅原力副委員長は、「教師の養成制度は、伝道推進室による教師の夏期研修を、その一環として受け止めながら、10年研修、20年研修の実施も検討し、各神学校と教師検定の在り方を巡って協議して行きたい」と述べた。
また、宗教改革500周年記念事業で、6月22日、富士見町教会で開催された記念礼拝は、会場くまなく埋めた511人の出席者があり、献金46万9250円が捧げられたことが報告された。(永井清陽報)
財務関連、16年度決算を承認
常議員会2日目に財務関連議案を審議した。
16年度第一次、第二次補正予算案を承認した上で16年度教団歳入歳出決算を承認した。第一次補正では、カナダ合同教会よりの耐震工事のための献金(200万円)の繰り入れ、総幹事、財務幹事の退任に伴う人件費の増加、三鷹住宅の土地を売却(1億円)等による補正を承認した。第二次では、九州教区の被災に伴う負担金の減免(125万円)、宣教方策会議報告書作成(55万円)、石巻の土地建物の売却(853万円)等に基づく補正を承認した。
決算報告で、愛澤豊重予算決算委員長が、前財務幹事が3月末で退任、後任者が体調を崩しているため、17年4月より税理士法人と経理顧問契約(月次顧問料10万円)を結んだことを報告した。
事業活動収支で、1480万円の収支差損となった。愛澤委員長は、原因として、「負担金収入が減少している中、支出の縮小が限界点に達しており、特別な支出があると赤字になる体質にある」と指摘し、今年度の特別な支出として、退職金の増加、台湾地震への献金、東日本大震災救援対策本部への不動産売却益の支出等を挙げた。また、投資活動収支においては、不動産売却の固定資産売却収入があったものの、積立預金に移行した後の差益は、1055万円となり、事業活動、投資活動合わせた当期収支差損は424万円となった。
収益事業会計では、三鷹住宅売却による住宅家賃収入の減、耐震工事による会館室料の増等があり、当期収支差額は633万円の差益となった。
「伝道資金運用に関する件」では、佐々木美知夫委員長が18年度負担金総額は5621万円となったこと、また、今後の交付に向けたスケジュールと運用指針を報告した。質疑応答において、運用指針が「申請教会に未受洗者配餐等、日本基督教団信仰告白、教憲・教規に違反する教師、教会を加えてはならないとしている点を訂正することは出来ないか」、「3教区が申請をしていない状況の中、制度上の問題をどう認識しているのか」等の質問があった。佐々木委員長が、「この点が、教区活動連帯金から伝道資金の制度に至ったことの大切な部分である」と応じた他、「この指針は指針であって、規定ではない。申請をためらっているという教区も教団の決議を重んじ全体教会の伝道に参与してほしい」等の意見が出された。賛成多数で承認した。
部落解放センター決算に関する件では、東谷誠委員長が、収入合計2681万円となったこと、次年度繰越金が、303万円となったこと等を報告した。質疑において、運営資金(特別会計)に400万円繰出しており、この会計に2200万円あることについて、目的と積立の目標額が問われた。明確な応答がなく、繰出しが適当かどうか予算決算委員会と相談し、適正な形で処理することを付記した上で決算を承認した。
山北宣久出版局理事長は、当期純利益が会館移転に伴う費用387万円を含め、651万円の赤字となったことを報告した。籔田安晴年金局理事長は、退職年金勘定で、掛金3億2933万円に対し、給付は4億5927万円であったこと、しかし、決算では、献金・協力金・運用益によって、退職年金積立金に7867万円を積み増し、42億2325万円となったことを報告した。(嶋田恵悟報)
教団伝道推進基本方針」を制定
2日目後半は、終了時間を30分延長して、議長提案「教団伝道推進基本方針」を審議、制定した。「教団の伝道力の命と力の回復を目指し、主の伝道命令に忠実に従う教団を形成するために教団伝道推進基本方針を制定する」として、祈祷運動(共に祈ろう)、信徒運動(共に伝えよう)、献金運動(共に献げよう)を掲げて教団の伝道推進を求めてゆくことを提案した。
審議では、宮本義弘常議員が原案に掲げられた聖句(マタイ28・18~20)に加えてマタイ11・28を掲げることを修正案として提案したが、33名中14名の賛成にてこれを否決、原案どおりとなった。
既に6月に開催された教区議長会議で本案について意見交換された。その際に述べられた意見として、財政危機を掲げて伝道推進を訴えることを危惧する、提案内容は方針ではなく方策である等の反対意見が今回も改めて述べられた一方、概ね原案に賛成する意見が述べられた。方針に基づく3運動を具体的に展開することとなる。
なお、伝道対策検討委員会報告では、機構・財政検討小委員会設置を報告した。
第40回教団総会の議事録精査委員会(招集者・松井睦、田中かおる、中川義幸)を組織し、議事録確定を付託した。
教団特別財産である、既に廃止されている旧箱根伝道所(神奈川・足柄郡箱根町)の建物除却、土地売却を可決した。除却費用270万円、売却予定価格400万円。
兵庫教区は、総会で可決した「大嘗祭反対声明」を常議員会で審議することを要望したが、教団では社会委員会で本件を取り扱うこととなった。
2日目の冒頭には、3月に開催された教団国際青年会議の報告書配付と共に報告が行われた。(新報編集部報)