5月25~26日、韓国南水原永楽教会を会場に、第14回日韓連合異端似而非対策セミナーが開かれた。日本側は日本基督教団、在日大韓基督教会、カトリック中央協議会、日本聖公会、バプテスト連盟を含む16名、韓国側は大韓イエス教長老会(PCK)の35名の計51名の参加。
今回の講演は、卓志一教授(釜山長神学大学校)「韓国異端の動向分析及び対応策-異端と政治権力の癒着を中心に」と、川島堅二教授(農伝・恵泉女学園大)「日本における『摂理』の活動と対策」であった。
卓講演では、セウォル号事件をきっかけに起こった朴大統領から文大統領への政権交代により、韓国政界がカルト系諸団体との癒着関係を明確に否定するようになり、「似而非集団規制法」制定の動きまで出始めたことが報告された。朝鮮戦争期に生まれた多くの団体が、現在女性教祖に代替わり継承されていく形で生き残りを図ろうとしている中で、これは注目すべき動きであろう。
川島講演では、信者への猥褻行為で10年の刑で収監されていた「摂理JMS」の教祖が来年にでも出所するのを目前にして、日本で盛んに布教活動がなされている実態が報告され、韓国側から来年韓国で開催される冬季オリンピックに関与する動きがあるとの報告もなされた。
セミナー後、新天地本部調査、日帝時代の殉国記念館のある堤岩里教会訪問等がなされた。
今回のセミナーに先立つ23~24日には、日程の詰まった中、大韓キリスト教長老会(PROK)事務局、韓国カトリック中央協議会事務局、PCK総幹事、大韓聖公会事務局訪問もなされ、PCKの長老会神学大学の礼拝、3箇所の教会の水曜礼拝を回って、韓国生まれのキリスト教系カルト宗教被害と対策を訴えた。各教派に対策機関が次々と設置され、私たちの協力要請にも各教派とも積極的に応じるなど、韓国キリスト教界の意識の変化を大きく感じた訪韓の旅であった。
(小海 基報)