【4860・61号】日本基督教団 国際青年会議in 京都 エネルギー持続可能社会の実現を目指して」 2017年3月28日(火)~31日(金) 於:関西セミナーハウス

青年たちによる課題の担い方を模索

 2014年3月、仙台・東北学院で行われた国際会議の宣言文に原子力問題を含め震災が引き起こした諸問題を、若い人々が担いリーダーシップを発揮することが記された。今回の国際青年会議は、この「決意と呼びかけ」に応え開催された。青年運営委員たちがプログラムし、「エネルギー持続可能社会の実現を目指して」をテーマに多彩な講師陣を招き、海外の青年たちにも参加を呼びかけた。東日本大震災6年を迎えて教団が救援対策本部終了を期する会議ともなった。

 3月28日から31日にかけて、日本基督教団国際青年会議in京都が、関西セミナーハウスをメイン会場にして開催された。日本全国はもとより、世界各地、カナダ、インド、台湾、ドイツ、韓国、香港、アメリカ、コンゴ、フィリピン、アルメニアから約110名の参加者が京都に集まった。

 会議はまず、同志社大学寒梅館を会場にして行われた基調講演から始められた。一般公開となった同志社でのプログラムには、およそ250名の出席者があった。

 講演に先立ち壇上に立った秋山徹実行委員長は、この会議が、2014年3月に仙台の東北学院大学で行われた教団主催の国際会議の延長線上にあるものであり、今回の会議も仙台での会議と同様に、ステートメントを出すという形で終わらせたいと挨拶した。

 基調講演は、「エネルギー飽食の時代におけるオルタナティブ :持続可能な社会と大地の安息のために」と題し、同志社大学神学部の小原克博教授により行われた。

 「宗教改革500年を覚える記念の時であり、改革者たちが、忘れられた聖書の言葉を取り戻したように、私たちも聖書の言葉に立ち返り、忘れられつつある日本の文化をもう一度見つめ直したい」と始められた講演は、『イエスの食卓が投げかける課題』、『創造の再解釈-人間中心主義を相対化する道の探求』、『経済成長至上主義から「大地の安息」へ-エネルギー消費・再生の作法』、『ローカルな文化との対話-「大きな物語」を多声的に語るために』という骨子に沿い、それぞれの項目において聖書の言葉を示しつつなされた。

 一般公開、特に若い人たちが多い聴衆に向けた講演ということもあり、非常に丁寧に分かりやすく語られた講演であった。まとめの部分で、地の塩としてのキリスト教の役割が提示されたが、そのことは今会議の底流を流れる大きなテーマであり、会議中の様々な場面でキリスト教の役割、教会の役割、キリスト者の役割という言葉が繰り返し聞かれることとなった。

 続いて、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のおしどりマコ・ケンによるプレゼンテーションが行われた。男女のコンビ芸人として活動している2人は、東京電力福島第1原子力発電所の事故以降、積極的に、東京電力の記者会見や、様々な省庁・地方自治体等を取材し続け、あまり表に出てこなくなりつつある福島の現状や、取材の中で感じた疑問や問題点を様々な媒体で公開する活動を行っている。

 提示された内容は非常に重たい内容であり、福島の現状に危機感を覚えさせられるようなものもあったが、2人の絶妙な掛け合いによって時に笑いを交えながらのプレゼンテーションとなった。
(小林信人報)

 

これまでと、これからの取り組み

 2日目は、会場を関西セミナーハウスに移して、午前と午後夕食前までに、講演、プレゼンテーション、現状報告と6名の講演、報告が続いた。

 講演では「エネルギーの未来はオフグリッド」として環境活動家・田中優氏が、原子力・火力発電といった大規模で環境負荷の高い電力に頼らずに家庭で発電し電気を賄う生活の実践報告と提言をした。オフグリッドとは電力会社の送電網を家庭、地域で切り離して電力需給において自立することを言う。特に蓄電技術の発展によって既存の電力から自由な個別発電をすでに可能にしている実践を示した。

 プレゼンテーションでは、会議運営委員でもある片岡平和氏が、「全国組織としての教会ができること」として、既に常議員会、教団総会でも提示された、原子力発電所からの教会、関係施設の距離を可視化した日本地図によって、全国に拡がる教会が平時から放射能観測のモニタリングポストとしての役割を担えること、地図をアジア、世界に拡大することを訴えた。

 日本からの現状報告では、まず「福島原発事故時の体験」として、発災時、双葉町長であった井戸川克隆氏、同じく当時、浪江町職員・保健師として被災者の救助救援に当たった伏見香代氏が報告した。両氏は、特に原発事故直後、現場間近での経験、その後の避難・救援状況などを語った。

 次に「福島原発事故後の働き」として、会津若松で被災者支援に当たってきた片岡輝美氏が、2011年7月に立ち上げた会津放射能情報センターにおいて正確な放射能情報の収集・発信に努め、子供や母親たちの支援を行ってきたことを報告した。アジア学院校長として学院の継続、再建に携わってきた荒川朋子氏は、被災後の取り組みとして、特に農産物の放射能計測を行うベクレルセンターを学院内に開設、地域にも開放してデータ蓄積、実態調査を続けてきたことを報告した。
(新報編集部報)

 

課題別に多様な報告

 3日目は、課題別の4つのセッションに分け、発題者から報告を聞き、質疑応答の時間を持った。

 セッションAは、「原子力問題:環境・健康・人権・安全などの視点」とのテーマで持たれた。インドの写真家アシッシュ・ビルリ氏がインド東部のウラン鉱山がある村、ジャドゥゴダの状況を報告。台湾長老教会の大学生・宋文傑氏がPCTの信仰告白と反核宣言に基づく反対活動を紹介。小児科・精神科医で福島に通って診察を続ける北川恵以子氏は、子どもの甲状腺がんの発症状況及び事故の受け止め方や支援の差が家族や地域コミュニティーの分断を生んでいることを報告した。

 セッションBは「原発反対運動」とのテーマで持たれた。光教会牧師・橋本直行氏は、上関原子力発電所建設計画の経緯と山口県民大集会実行委員会の活動を紹介。カナダ合同教会のティアナ・アルブー氏は、カナダにおいて気候変動対策から原発容認論が主張される中で、教会が反対の声をあげてきたことを報告。EMSのカリーナ・シューマッハー氏は、ドイツと韓国における反対運動について、特に韓国の原発に反対する様々なグループの活動を報告した。

 セッションCは、「裁判など、法の取り組み」とのテーマで持たれた。ニュージーランドの弁護士・アリン・ ウェア氏とカナダの研究員・レイチェル・デイ氏は、司法における反対運動を紹介。32年間裁判官をしていて現在弁護士の井戸謙一氏は、日本の司法が国策に逆らえない状況を述べ、世論の力の大切さを訴えた。栃木県北原発被災者弁護団の粟谷しのぶ氏は、栃木県が賠償対象地域に指定されなかったことに触れ、県境での区別を乗り越え、子どもたちのために市民が活動していることを紹介した。

 セッションDは「教会には、何ができるか」とのテーマで持たれた。震災以降、郡山で牧会する日本バプテスト連盟の金子千嘉世氏は、自身の歩みを振り返り、教派を越える連帯を訴えた。カトリック正義と平和協議会事務局の昼間範子氏は、「今こそ原発の廃止を--日本のカトリック教会の問いかけ」から見る脱原発に関する立場を説明。インド出身でドイツで生活するEMSの学生アルン・サシクマール氏は、交換プログラムにおけるボランティアや聖書の学びを通じた青年の交流を紹介した。 (嶋田恵悟報)

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