《熊本・大分地震》教会支援・地域支援を柱として
「熊本・大分地震」から10箇月が経った。この間、皆様が寄せて下さった篤い祈りと貴い献げ物に心より感謝する。事態は尚、深刻だが、私共九州教区はこの苦難の中に、主の御手をはっきりと感じている。感謝に堪えない。
九州教区の課題
課題は、①被災教会・信徒・教職の救援、②地域の被災者支援、の2つである。②から記す。
地域の被災者支援
九州教区と在日大韓基督教会総会が共同で「ボランティアセンター・エルピスくまもと」を設立し、この働きに当っている。発足時期が避難所に大勢の被災者が身を寄せつつある時だったので、熊本YMCAが管理する御船町避難所でのカフェ開設「ドリームカフェ」による娯楽提供・傾聴活動に取り組んだ。教区内教職による子ども・大人をそれぞれ対象とした工作教室も非常に好評で、活動は10月末の避難所閉鎖まで忠実に続けられた。
元来、“やがて造られる仮設住宅での孤立化を防ぐための人間関係づくりを今から”との思いを籠めた避難所での活動だったが、実際に信頼に基く親密な関係を築くことが出来たのは嬉しいことだった。
仮設での奉仕は12月14日に南木倉仮設団地(55戸)から開始したが、避難所で結んだ信頼関係が大きな助けとなっている。23日には同地でクリスマス会を開いた。住民の方々に請われて「エルピス」センター長の金聖孝牧師(在日大韓熊本教会)が為したクリスマス講話、来援の福岡雙葉学園高校生によるハンドベル演奏に加え、食事や菓子、ケーキの贈り物もあり、「ただ騒ぐものとは違う、心に沁みる集まりだった」との感想をもらった。
今後も複数の団地でカフェ開設を軸に傾聴および生活支援活動を続けてゆく予定である。
被災教会への支援
今次震災では15の教会がその建物に被害を受け、信徒・教職もまた、その生活に大きな打撃を受けた。教区では、早期に信徒宅の被害1件当り20万円を支出し、当初より献身的に働いて来られた牧師方には保養プログラムを提供する等の対応を進めている。
教会建物については「被災度区分判定」を一粒社ヴォーリズ建築事務所に依頼、その結果を基に補修・再建費用を1億8000万円と試算した。
被災地では現在も尚、施工業者を摑まえることが難しい状況だが、壁の亀裂も建物のひずみも震災以降の梅雨の大雨や台風の襲来を受けて、その傷の度合いを増している。一日も早い手当てをと願うや切なるものがある。
このために教団が「熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金」(目標額1億8000万円)を呼び掛けている。九州教区も当然、この達成のために総力を挙げて努めているところである。諸教会の苦闘を思えば恐縮ながら、敢えて更なる御協力を乞い仰ぐ次第である。
(九州教区議長 梅﨑浩二報)
《鳥取中部地震》被災教会合同礼拝を開始
2016年10月21日14時7分、鳥取県中部を震源とする地震が発生し、倉吉市内で震度6弱を観測した。発生当初より、多くの心配の問い合わせ、見舞いなどをもらい、いまだに多くの方々がこの震災を覚えて祈ってくださり、支えてくださっていることを心より感謝する。
倉吉市内にある教団に属する3教会もそれぞれに大きな被害を受けた。倉吉教会は、建物の壁面に亀裂などが見られるが、大きな被害には至らなかったようだ。
上井教会は、外壁コンクリート部分の剥落、亀裂、内壁の剥落、亀裂などが多数あり、修理を要するものと考えられる。
教会建物に関して言えば、倉吉復活教会の被害が一番深刻だった。外壁、掲示板の剥落、2階の窓のサッシの落下、玄関扉の倒壊、壁のはがれや、床面のズレ、建物全体のゆがみによるものであろう扉のきしみなど多くの被害があった。現在はベニヤ板、ブルーシートなどでの応急処置を終えているが、このまま修理して使い続けるということはかなり難しいだろうと考えている。3教会の役員が集まって今後のことについて話し合う機会も持った。
もちろん建物だけではなく、連なる教会員の中にも大きな被害を受けた方が多くいる。それぞれにどうにか日常を取り戻しつつあった矢先、今年に入って2度の大雪は、かねてより屋根の傷みを指摘されていた倉吉復活教会でも雨漏り被害をもたらした。街中にまだまだ多くの残る未修理のブルーシート屋根を見るにつけ、多くの方々の不安を思わざるを得ない。
このような状況の中、4月からは倉吉復活教会と上井教会との合同礼拝とすることも決断した。まだまだ多くの課題が山積しているような状況ではあるが、着実に進んで行きたいと願っている。
(上井教会牧師 奥田 望報)