石橋秀雄議長・佐々木美知夫副議長再選
40回教団総会を終えた。冒頭、議案上程の手続不備等の説明に時間を要し実質の審議になかなか入れず、最後は上程できなかった議案を残し閉会しなければならなかった。しかし、審議全般に、秩序を守った会議となってきている。内容を伴う討議をなおいっそう深めることが求められる。「伝道する教団の建設」のため待った無しの課題が山積する中で新しい総会期が出発した。
「伝道する教団の建設」-十字架の贖いを土台として-を主題に掲げた第40回日本基督教団総会は、10月25日から3日間、東京・池袋のホテルで開催され、総会議員400名中、開会時366名が出席した。沖縄教区は、34回総会以来、7回連続して議員を選出しなかった。
石橋秀雄議長は、議長報告で、「『2030年問題』など、教会の内外で危機が叫ばれる状況の中で、『伝道する教団の建設』こそが、教団の教会のあるべき姿であり、使命だ。時を超え、国を超えて、『永遠の福音』を保持する公同の教会であるところに、教会の力と希望がある。
教団が宣べ伝える福音の内容と宣教のあり方についてはまだ議論が十分とはいえず、改訂宣教基礎理論草案を通して、議論が深まって行くことを願っている」と報告した。
続いて総幹事報告で、長崎哲夫総幹事は、「東日本大震災救援対策で、被災教会81の33教会に支援金5億7978万7429円。貸付は22教会で、貸付残高2億8200万3031円。
日本キリスト教会館耐震・改修工事は、16年2月終了。本工事費2億6250万円中、教団負担金は5071万円。貸付金4000万円、内部工事費、大久保仮事務所移転費を含め、教団の最終的総支出は、約2億円となった」と報告した。
1日目夜行われた議長選挙は、1回目の投票で有効投票の過半数に1票不足したため、2回目の投票で石橋秀雄議長が四選された。
石橋 秀雄 201票
久世そらち 158票
佐々木美知夫 8票
後宮敬爾、邑原宗男
梅崎浩二、雲然俊美
各1票
(投票総数373、無効2)
石橋議長は、「4期目という戸惑いもあるが、大きな課題があるので、懸命に取り組んで行きたい。福音に燃えて、伝道する教団を建設し、危機に立ち向かう。お祈りとお支えを頂きたい」との議長挨拶を行った。
副議長選挙は、佐々木美知夫副議長が再選された。
佐々木美知夫199票
邑原 宗男 128票
久世そらち 20票
雲然 俊美 5票
梅崎 浩二 2票
後宮敬爾、大月純子、
木村拓己、柴田もゆる、 藤掛順一、保科 隆、
真壁 巌
各1票
(投票総数362、無効1)
佐々木副議長は、「教団は、これから財政的にも機構的にも重要な時期に入って行く。教団が、伝道力をしっかり持って歩む、責任の重さを感じている」と挨拶した。
書記は、慣例に従い、正副議長提案の雲然俊美書記を議場が承認し、雲然書記は四選された。
長崎哲夫総幹事は、2期4年の任期を終えて退任するが、石橋議長は、「総幹事をここで推薦出来ないので、道家紀一総務幹事を総幹事事務取扱としたい」と提案した。議長責任を問う意見が続き、採決要求の動議も出たが、必要な3分の2に足りず、不成立となった。
石橋議長が、再度、道家紀一総幹事事務取扱を強く訴えて、同様の論議が再開したが、長山信夫議員(東京)の「総幹事は、これまでいろいろな仕方で選任されて来た」の発言を受けて、採決で決することになり、賛成215の圧倒的多数で承認された。
竹澤知代志出版局長は、4年の任期を終えて退任し、新出版局長に新藤敦氏を承認した。新藤氏は局次長を務めており、出版局内部から初の選任となった。
常議員選挙では、教職14名中、5名、信徒13名中、5名が入れ替わった(再17、新10)。
(永井清陽報)
九州教区提案議案について石橋議長謝罪
石橋秀雄議長は、総会冒頭の議事日程承認の際、北村慈郎教師の免職撤回を求める33号議案(大阪教区)と44号議案(神奈川教区)の2議案は、「戒規に関する議案であり、教規142条で『別に定める』としており、議案として上程出来ない」と説明した。また、「教憲9条と関連教規条項の改正」を求める42号議案(九州教区)は、「7月5日に受理したが、議長が知ったのは、9月13日で、教憲12条の求める3ヶ月前の公表が出来なかった。従って、今総会に上程出来ないことを、議長としてお詫びする」と語った。
これに対し、梅崎浩二九州教区議長は、「議案は、石橋議長が問安使として出席した5月の教区総会で可決したもので、3ヶ月のことは承知しており、7月の常議員会の際にも、議長にお願いしていた。公表は新報紙上でなくとも、他の方途もあった筈だ。
この際、教憲12条の求める公表とは何をもってするかを確定して欲しい。石橋議長が瑕疵を認めてくれたので、これ以上、議論は止めるが、教団新報紙上に議長の謝罪文と議案全文を掲載して欲しい」と語った。
石橋議長が、これを了承したので、2人の議論は収束したが、議場からも賛否両論が続き、組織会から第1号議案終了までに、最近の教団総会では、異例の1時間近くを要した。
常議員選挙は、常議員会提案の全数連記投票に対し、有澤慎一議員(大阪)が半数連記投票を提案。白熱した論戦となったが、意見はかみ合わず、投票の結果、投票総数363(有効357)賛成161、反対196で否決され、常議員選挙は、4期連続、全数連記制で行われた。
(永井清陽報)