「大切なものは奪われていない」、15年9月の「関東・東北豪雨」による水害からの復興に向けた歩みを振り返り、松本宏子さんは語る。
お宅は床上150センチが浸水し、一階にあったもののほとんどを廃棄することになった。所属する水海道教会、併設する二葉こども園も30~40センチ程浸水した。
高度経済成長期には、飛躍的に経済が発展し、持ち物も増え、それがもたらす便利さを享受して来た。今回の水害で、持っていた物の多くを失った。しかし、失ってみると、「生きて行く上で必要なものはそれほど多くない」ということが分かって来たという。
松本さんは、教会役員として奉仕するようになってから、月報「交わり」の編集、教会ホームページの管理、更新を担当するようになった。水害が起き、実家に避難する際に、ノートパソコンを携えて行ったため、教会の電話も開通しない中、ホームページで情報を流し、月報も発行することが出来た。普段、それ程多くないホームページの閲覧数が、水害の際に大きく上昇したそうだ。その情報を得て、地域の教会の牧師、信徒はもとより、全国の教会から多くの献金、支援が寄せられた。
家族や主にある兄弟姉妹が示してくれる温かい見舞いの言葉や差し伸べてくれる手助け、それらを通して証しされる神の存在を深く知らされたという。洪水でさえも奪うことが出来なかった、主にある交わり、主が与えてくださる繋がりこそ人を生かす大切なものであり、他のものは、多少、便利になるかどうかという相対的なものでしかないとの思いに至った。
教会の教勢低下を思わずにはいられない昨今、諸教会と共に、主にある交わりを形作るべく仕えて行きたいと語る。
水海道教会員