「His image is my image」「神のイメージ(似像)が私のイメージ」という言葉に常に励まされ、落ち込んだとき、挫折したときにはいつもここに立ち戻り、歩んできた。そう語る藤野さんは、昨年9月に自費出版で2冊目の著書を纏めた。その名も「出でゆくは青き海原」。讃美歌439番の歌詞から付けられた名前である。
藤野さんは北陸学院高等学校において36年間教師として働き、現在も非常勤講師として教鞭を執っている。「出でゆくは青き海原」は自身の信仰の証しとして、生徒たちに語った礼拝メッセージ集である。卒業式ではいつもこの讃美歌が歌われた。はるかなる望みを胸に、港を目指して船旅を進んでほしい、という愛と祈りが込められている。
若き頃は生きる意味を問い、「偽りの罪意識」(P・トゥルニエ)に悩まされたこともあった。20歳の頃、ペンテコステ礼拝で不思議な風のような聖霊に導かれ、金沢教会において洗礼を受けた。
さらに、金沢教会が開拓伝道をした内灘教会へCS教師として遣わされ、長老として教会を支えてきた。どこまでも暗い深淵の中を落ち続けても、最後の最後に自分をしっかり受け止めてくださる方がおられることを信じる。それが求めていたものだった、と振り返る。ところが、教師の仕事は激務である。突然、1991年に激しい目眩と嘔吐に襲われ緊急入院。ひたすら祈った。全治2か月の診断にもかかわらず、奇跡的にわずか2週間で神様の御守りの中、職場に復帰した。
現在、妻も共に長老であり、使徒言行録のパウロを支えたアキラとプリスキラのように、忠実に主に仕える夫婦になりたいと語る。このようなクリスチャン教師たちによっても、青年伝道が推進されることを願うものである。
1952年石川県生まれ。金沢教会にて受洗。内灘教会長老。